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» 2019年02月28日 00時05分 公開

新しいダイソンのロボット掃除機は何が変わった?

ダイソンが発売したロボット掃除機の新製品「Dyson 360 Heurist」。デザインや機能は従来機のそれを踏襲しているが、中身はほぼ一新。クラウド連携も個人情報保護の観点から仕様を変更していた。

[芹澤隆徳,ITmedia]

 ダイソンは2月27日、ロボット掃除機の新製品「Dyson 360 Heurist」(以下、Heurist)を発売した。外観は従来機とほとんど変わらず、特徴的な上面カメラも踏襲するなど、一見マイナーチェンジ。しかし英Dysonのシニアプリンシバルエンジニアのマイク・オールドレッド氏は、「Heuristは、今後のために作った新しいプラットフォームだ」と話す。

「Dyson 360 Heurist」。直販価格は11万8800円(税込)

 Heurist(ヒューリスト)は、「発見する力」「学習する能力」といった意味を持つ英語。その名の通り、掃除で作成したマップを記憶し、次回起動時にはメモリ内のマップと照らし合わせて自分の位置を認識する。これまでのように掃除のたびに一からマップを作るより効率的に掃除できる。

 マッピングや移動に使うセンサー類もブラッシュアップした。例えば従来機で魚眼レンズが大きく飛び出していたカメラは平面に近くなったが、より幅広いエリアを撮影できるという。その周囲を8個のLEDライトが囲み、暗い方向を照らす。これまでよりも正確にナビゲーションが行える他、夜でも支障なく掃除できるようになった。

「インテリジェントSLAMビジョンシステム」と呼ばれるカメラ。その周囲をLEDライトが囲む

 また新たに赤外線の長距離センサーを設け、2メートル先の障害物を検知可能に。このセンサーはマッピングにも活用し、これまではロボット自体が近づかなければ検知できなかった物体の存在が分かるようになった。「SLAMのコア技術は従来機と同じだが、より多くの物体を取り込み(情報量を増やす)、高速に処理するようになった」(オールドレッド氏)

 あわせてCPUは1.4GHzのクアッドコアに、メモリは従来機の8倍、長期メモリ(ストレージ)は32倍とデバイスとしての処理能力を大幅に向上。従来の20倍のデータを扱えるとしている。

クラウドに上げるのは個人を特定できない情報のみ

 作成したマップはスマートフォンアプリ「Dyson Link」(iOS/Android)で確認できる他、ユーザーが必要に応じて掃除の仕方をカスタマイズできる。ポイントはゾーニング。部屋として仕切られていなくてもアプリ上で切り分け、それぞれに適した掃除モードを設定できる。

スマートフォンアプリ「Dyson Link」。名称は従来と同じだが、ゾーニングや個別の掃除モード設定など機能が増えた

 例えば広いLDKがある家。フローリングのダイニングやキッチンと、ラグを敷いたリビングでは掃除の仕方も異なるはずだ。Heuristの場合、アプリ上でリビングとダイニングの間に境界線を引けば別のゾーンと認識し、それぞれに掃除モードを設定できるため、リビング部のみ今回追加された「強モード」に設定するといった使い方ができる。

英Dysonのシニアプリンシバルエンジニアのマイク・オールドレッド氏(左)とシニアデザインエンジニアのジェームズ・カーズウェル氏(右)

 Heuristには、従来機の32倍というストレージを内蔵した。オールドレッド氏は、「できるだけ多くの情報をロボットの中に保存する。カメラで撮影した画像などはもちろん、クラウドに個人を特定できる情報をアップすることはない」と話している。

 ストレージを大幅に拡張し、高速なCPUと大容量メモリを搭載した理由は他にもある。「今後、まだリリースしていない多くの機能が追加される。内容はまだ言えないが、そうした未来に対応できるプラットフォームを作った」(オールドレッド氏)。スマート家電の先駆けといえるロボット掃除機は今後、どんどんマッチョになっていくのかもしれない。

【訂正:2019年3月1日18時13分更新 ※ロボット掃除機が取得した情報の扱いに関する記述を修正しました】

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