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「5G時代」、MWCはどう描いたのか(2/4 ページ)

» 2019年03月08日 14時24分 公開
[西田宗千佳ITmedia]

 これは、MWCとCESの出自の違いが大きい。

 MWCは携帯電話関連の業界団体であるGSM Association(GSMA)が主催であるのに対し、CESはアメリカの家電・技術業界団体であるConsumer Technology Association(CTA)が主催である。前者はそもそも、携帯電話事業者のネットワーク構築や端末開発の技術に関わる調整を主体としており、出展者もまずはそうしたビジネスに関わる企業が多い。コンシューマ向けの企業も増えているが、CESに比べるとやはり業界向けだ。日本ではスマートフォンの新製品の話題が多く伝えられるだろうが、それは一面の姿でしかない。

 MWCでは「5G」が話題だったのだが、それも、どちらかといえばB2B主体のイベントである、という性質が大きく影響している。5Gは端末よりもまず「設備」であり、その上で動く「サービス」だ。そこが主体となるなら、もちろんB2Bが主軸にならざるを得ない。

photo Samsungブースでの「Galaxy S10 5G」のデモ。だがこうした端末のアピールは、イベント全体で見ると実は一部に過ぎない

 とはいえ、そこに、ディスプレイ技術やデバイス技術といった、従来の携帯電話業界イベントではそのまま扱われないようなものも対象に広がり、さらにはスタートアップ企業の参加も広がっているあたりが、MWCを「MWC」という名称に変えた理由、と言える。

photo AR用ディスプレイを構成するレンズ(ハーフミラー)技術である、「LetinAR」のデモ。実はCESにも出展しているところなのだが、ついにメガネ型のデバイスに組み込んできて、より実際の製品に近づいてきた。ディスプレイに映っているのは、視界に見える映像だ

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