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「5G時代」、MWCはどう描いたのか(4/4 ページ)

» 2019年03月08日 14時24分 公開
[西田宗千佳ITmedia]
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そういうのアリかと驚く「remade:」

 一方で、「そういうのアリなのか」という大胆な展示をする企業もある。あまり日本では伝えられていないようなので、最後にご紹介しよう。

 それは、フランスの「remade:」という企業だ。

 ここが提供するのは「iPhone」である。でも、写真を見ると、ちょっと違和感がないだろうか。こんな色のiPhoneは、純正では提供されていない。

photo フランス「remade:」の展示したiPhone。純正にない色のiPhone 6sやiPhone 7が並ぶ。すべて中古から再生したもの。謳い文句は「リファービッシュト(整備済み製品)より上質」

 実はこの会社、中古のiPhoneを集め、分解し、バッテリーなどのパーツを新品に交換した上で、アルミのボディも純正パーツを染色して組み立て、「新しい別のiPhone」として製品化するものだ。

 彼らの口からは「ビジネスとして問題ない」とコメントはもらったものの、Apple側がどう考えているかはわからない。

 だがまあ、それはともかく、こういうビジネスが成立することそのものが、スマートフォンビジネスの大きさであり、特にiPhoneというビジネスの特異さを示している。単一のモデルが大量に供給され、数年間は商品としての価値を持続し、さらには非純正のパーツ供給も行われていて、「それらを再び組み立てて売ることがビジネスになる」スマホは、他にあまりない。他社はもっとバリエーションが多く、モデルチェンジ後には過去モデルの商品価値が急激に下がるので、単純にremade:のようなビジネスプランは採れないだろう。どちらがいい、悪いというよりも、「Appleだけが特異なビジネスモデルを成立させている」ということだ。

 「そうしたビジネスはあと何年同じ形で続くのだろうか」もしくは「Apple以外がApple的なビジネスモデルに変わっていく可能性はあるのか」という疑問が残るのだが。その答えはきっと、5Gが当たり前の存在になる2023年あたりには出ていることだろう。

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