国内最大のカメラ見本市「CP+ 2019」は、カメラボディはもちろんのこと、レンズや周辺機器もまとめてチェックできるのが魅力的だ。本記事ではサードーパーティー製レンズを中心に、CP+ 2019で見かけた注目レンズたちをチェックしていく。
まずCP+ 2019の全体的な動向としては、キヤノンとニコン、パナソニックのフルサイズミラーレスが登場した直後であることから、これらフルサイズミラーレス群に対応するレンズを多く見かけた。
独ライカ、パナソニック、シグマ3社のLマウントアライアンスに関してはマウントアダプターがしばらく登場しなさそうな雰囲気。
意外と展示数が多いのが、マニュアルフォーカス(MF)レンズだ。ミラーレスが採用している電子ビューファインダーの場合、拡大表示できるため、視力に関係なく光学ビューファインダーよりもフォーカスを追い込みやすい。
また高感度ISO性能の向上に伴い、昔に比べて暗所でも絞っていける。オートフォーカスを駆動するアクチュエータを考えなくてもいい分、価格を抑えながら描写を重視できる。このようにカメラボディ側の進化や、価格と描写のバランスなどが、新規開発のMFレンズに注目が集まる理由だ。
「軽量高解像」というMFレンズのイメージからかけ離れた、マニュアルフォーカスのニコンZマウントレンズ「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」は別として。
まずはコシナから見ていこう。Eマウントのフルサイズ対応レンズ拡充を重点的に進めており、参考出展として「NOKTON 21mm F1.4 Aspherical E-mount」があった。発売は年内予定で、価格は「これまでのシリーズに近しいもの」(展示担当者)になる見込みとのこと。
同社の同じ焦点距離のレンズ「COLOR-SKOPAR 21mm F3.5 Aspherical E-mount」と比べると大型だが、Eマウントレンズとしては十分にコンパクトだ。また開放からの描写傾向も優れるとしており、風景だけでなく、ポートレートシーンでも注目されそうだ。
ライカMマウント互換のVMマウントレンズは「NOKTON Vintage Line 75mm F1.5 Aspherical VM」が展示されていた。これも年内発売予定。
VMマウントレンズを他のミラーレスで使えるようにするマウントアダプターも6種類展示されていた。6種類の内訳は、「フォクトレンダー VM-RF Adapter」「フォクトレンダー VM-RF Close Focus Adapter」「フォクトレンダー VM-X Close Focus Adapter」「フォクトレンダー VM-Z Adapter」「フォクトレンダー VM-Z Close Focus Adapter」。
上記はVMマウントレンズをキヤノンRFマウント、富士フイルムXマウント、ニコンZマウントに対応させるもので、「Close Focus Adapter」とあるものは、ヘリコイド内蔵で焦点距離を以前よりも短くできるというもの。また「フォクトレンダー E-Z Adapter」は展示のみだったが、EマウントレンズをZマウントで使用可能にするもの。Zマウントの民で、「MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical」が気になる人に問答無用で突き刺さる製品といえる。電子接点ナシが検討要素になるくらいだろうか。
次は中国LAOWAだ。ニッチな路線を全力で突き進む印象が強いのだが、広角を中心に用意されているレンズは、いずれもかゆいところに手が届く。
今回、中でも注目を集めていたのが「LAOWA 24mm F14 2× MACRO PROBE」だ。鏡筒直径38ミリ×長さ408ミリの強烈な見た目だが、LEDライト、防水機能付きと、水中や配管内など撮影が困難なシーンに特化している。EFマウント/Fマウント/FEマウント/Kマウント対応版が発売済みとなっているので、気になったら量販などの店頭で試すこともできる。
Irixはスイスのレンズメーカー。CP+を含め、国内展示会でなかなかブースを見かけない。そんなIrixのレンズをハンズオンできたのは結構レアだったかもしれない。「Irix 15mm f/2.4」「Irix 11mm f/4」「Irix 150mm f/2.8 Macro 1:1」の3本が用意されており、中でもIrix 150mm f/2.8 Macro 1:1は新製品ということもあって、試用している人が目立った。
ちなみに、11mmと15mmには筐体をプラスチック系にして価格を下げた「Firefly」シリーズと、金属採用の「Blackstone」の2モデルがある。
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