先日、セキュリティベンダーのカスペルスキーが主催した、記者向け説明会に参加してきました。そこではサイバー空間における最新事情が語られましたが、気になったのは「セクストーション」と呼ばれる手法の、個人を狙った攻撃の現状でした。
セクストーションとは「あなたの恥ずかしい写真をバラまかれたくなければ、金を支払え」という脅迫メールで、恐らく皆さんの中にも、あなたの名前と「過去に利用していたパスワードそのもの」をタイトルにした、たどたどしい日本語のセクストーションスパムメールが届いている人がいるはずです。
カスペルスキーによる最新の情報によると、同社が観測している被害額は、2018年11月をピークにやや減少傾向にあるものの、そもそもこのセクストーションにおいて105ビットコイン、19年3月時点のレート換算で約4300万円ほどの経済活動につながっていることは驚きです。
ただし、このスパムは“はったり”といえるでしょう。メールの内容を見ると、「あなたのPCをハッキングし、PC内蔵カメラであなたがどんなビデオを見ているか記録している」というのです。
あなたのPCはサイバー犯罪者の管理下にあると脅し、ばらまかれたくなければ身代金を払え――というのがサイバー犯罪者の主張です。しかし、そこまでのことができているのであれば、PC内のどこかにメモしているであろうビットコインの口座情報や、もっと現実的なオンラインバンキングの認証情報などを盗んで、勝手に奪っていく方が簡単なように思えます。実際にはそれができないから、あなたを脅して情報を奪おうというわけです。
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(編集:ITmedia村上)
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