「破産者マップ」閉鎖、「関係者につらい思いさせた」
自己破産した人の氏名や住所をGoogleマップ上にプロットし、地図上で確認できる「破産者マップ」が3月19日未明に閉鎖された。興味本位でアクセスする人も多く、運営者によると、16日時点で1日230万アクセスを記録していたという。
サービスをめぐっては、「破産者のプライバシーや名誉を傷つける」などと批判を浴びていたほか、「破産を隠していたのに、ネットで公開されてつらい」といった声が当事者から上がっており、被害対策弁護団も結成されていた。
運営者は閉鎖に当たってTwitterで、「関係者につらい思いさせた」と謝罪。「公開されている破産者の情報の表現方法を変えるだけで、これほど多くの反応があるとは思わなかった」「もしあなたの隣人が困っていたら、ぜひ助けてあげて欲しい」などと述べている。
1日230万アクセス、大量の削除依頼
破産者マップは、官報で公開された直近約2年間の自己破産者・破産企業の情報を、Googleマップ上にプロットしたもの。マップ上のピンをクリックすると、破産者の氏名(社名)や住所、破産手続き日などが確認できた。3月15日ごろからネットで話題になり、サーバがたびたび不安定になるほどアクセスを集めた。16日時点で1時間あたり230万アクセスあったという。
運営者は正体を明かしていないが、「破産者マップの係長」を自称して15日からTwitterを運用。削除申請フォームを設置したことや、大量の削除申請が届いていることなどを明かしていた。削除申請は「15秒に1件」のペースで届いていたという。17日時点で800人のデータを削除したとしている。
削除申請には、氏名や住所のほか身分証明書の写しや破産に至った事情(200文字以上)、破産後の生活(200文字以上)など詳細な情報が必要な上、申請後に審査もあるとされ、「センシティブな情報を集めすぎだ」などと批判を浴びていた。また、「削除申請は有料」などとかたって金銭を請求する詐欺も起きていたようだ。
「期待する使われ方と違った」
運営者は削除前日、「破産者の名誉を傷つけている」との批判について、「誰もが自由に見ることができる状態で官報を公開してる図書館や大学も、破産者の名誉を傷つけているのでしょうか?公民の教科書に書いてないので教えてください」と述べていた。
ただ削除直前には「破産者マップの使われ方が、僕が期待する使われ方と違う使われ方をされていると聞いて、とても悲しい気持ちでいっぱいです。もしあなたの隣人が困っていたら、ぜひ助けてあげて欲しいと思います。このマップは、あなたの近所にいる困っている人、助けて欲しい人がすぐにわかります」などと吐露していた。また、「日本にいる友達から破産マップがニュースに出てると聞き驚きました」とも述べており、海外在住だと匂わせている。
削除後には、「誰もが自由にアクセスでき、公開されている破産者の情報の表現方法を変えるだけで、これほど多くの反応があるとは思わなかったのが正直なところ」とし、「国や自治体が持っているデータ、公表しているデータの表現方法を変えれば、そのデータの持っている本質的な価値に近づけるのではと思います」とも。削除前日には「本当は破産者マップではなく、歩行者の交通事故データをもらい、危険な場所にさしかかったら携帯が震えて知らせてくれるようなものを作りたかった」とも述べていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
2
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
3
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
4
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
5
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
-
6
「楽天ドライブ」に不正アクセス 保存したデータなど1.5万アカウント分が取得・閲覧のおそれ
-
7
たばこ休憩なき時代の“一服”をどう取るか 温熱と“聞こえない音”で休む、JT子会社のアイマスクを試す
-
8
野村総研、サイバー攻撃時の「能動的なシステム停止」を支援する新サービス
-
9
「能動的サイバー防御」きょう開始 警察・自衛隊などが攻撃元サーバを無害化 高市首相も狙いを説明
-
10
Xの「いいね」長押しで1ドル送金 マスク氏が“投げ銭”機能を予告
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR