ドライブはカーメーカーにとってキラーコンテンツであった。たとえマイカーを持たなくても、レンタカーやカーシェアといった手段で、物理的に目的地に到達する必要があるのがドライブである。
VRが作り出すメタバースの世界にゴーグルをつけて入ると、たとえ実際にドライブをしなくてもまるでドライブしたかのような気分になれる。もっとも驚異的なのは、アバターが横に座って話しかけることで、まるで実際にドライブデートをしている気分になれるということだ。
このアバターは3Dでモデリングされたもの。モデル自体はリアルな人物からキャラ化されたものまで決められるわけだが、声を含めいわゆる「中の人」は実在の人間なので、普通に会話が楽しめる。初対面の人間と話すとき、多かれ少なかれ緊張するので、そういった緊張感もリアルである。
将来的にこれが高度にAI化されたボットに置き換わったとしたら、果たしてそれと分かるだろうか?
いずれにしても、まるで誰かと一緒にドライブにいったかのような気分になれるのだ。
しかしカーメーカーにも矜持がある。「自動車は移動してなんぼ」とばかりに実際にアバターと一緒にドライブできる技術をNTTドコモと共同に開発してしまった。それが今回、日産が世界初お披露目した5G回線を使ったInvisible-to-Visibleの走行実験である。
ここでキーとなるのが通信技術だ。
家の中でVR HMDやARゴーグルをつけてメタバースを楽しむのであればWiFiで十分であるが、実際に移動する自動車の中でメタバースを楽しむには、超高速かつ高帯域の通信ネットワークが不可欠である。現在のLTE回線よりもさらに高速接続、低遅延が可能となる5G回線の技術により、運転しながらメタバースを楽しむことができるのだ。
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