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ドライブデートの行く末はメタバースだスマートモビリティーで激変する乗り物と移動のかたち(2/3 ページ)

» 2019年03月29日 17時55分 公開
[野間恒毅ITmedia]

ドライブにもはや行かなくてよくなる世界

 ドライブはカーメーカーにとってキラーコンテンツであった。たとえマイカーを持たなくても、レンタカーやカーシェアといった手段で、物理的に目的地に到達する必要があるのがドライブである。

 VRが作り出すメタバースの世界にゴーグルをつけて入ると、たとえ実際にドライブをしなくてもまるでドライブしたかのような気分になれる。もっとも驚異的なのは、アバターが横に座って話しかけることで、まるで実際にドライブデートをしている気分になれるということだ。

photo 同乗者がいると感じる

 このアバターは3Dでモデリングされたもの。モデル自体はリアルな人物からキャラ化されたものまで決められるわけだが、声を含めいわゆる「中の人」は実在の人間なので、普通に会話が楽しめる。初対面の人間と話すとき、多かれ少なかれ緊張するので、そういった緊張感もリアルである。

photo 今は中の人が実在するのだが……

 将来的にこれが高度にAI化されたボットに置き換わったとしたら、果たしてそれと分かるだろうか?

 いずれにしても、まるで誰かと一緒にドライブにいったかのような気分になれるのだ。

実際にドライブデートできるメタバースの世界

 しかしカーメーカーにも矜持がある。「自動車は移動してなんぼ」とばかりに実際にアバターと一緒にドライブできる技術をNTTドコモと共同に開発してしまった。それが今回、日産が世界初お披露目した5G回線を使ったInvisible-to-Visibleの走行実験である。

 ここでキーとなるのが通信技術だ。

photo 実験に使用された5G回線移動基地局
photo Invisible-to-Visibleで使われたバン

 家の中でVR HMDやARゴーグルをつけてメタバースを楽しむのであればWiFiで十分であるが、実際に移動する自動車の中でメタバースを楽しむには、超高速かつ高帯域の通信ネットワークが不可欠である。現在のLTE回線よりもさらに高速接続、低遅延が可能となる5G回線の技術により、運転しながらメタバースを楽しむことができるのだ。

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