米宇宙企業のSpaceXは4月11日(現地時間)、大型ロケット「Falcon Heavy」(ファルコンヘビー)の商業打ち上げに成功した。空中で切り離した3機のブースターはすべて自動着陸で帰還。リサイクル可能なロケットの可能性を示した。
Falcon Heavyは、21回の打ち上げ実績がある「Falcon 9」の発展形。全高70メートルの大型ロケットで、2018年2月の試験打ち上げではイーロン・マスクCEOのテスラ・ロードスターを火星遷移軌道に投入して話題になった。ただし、このときは3機のブースターのうち「センターコア」と呼ばれる1機は自動着陸に失敗している。
今回はサウジアラビアの通信衛星「Arabsat-6A」を搭載した初の商業打ち上げで、リフトオフから34分後に人工衛星の切り離しに成功した。
ほとんどのロケットは大気圏に再突入する際に燃え尽きるように設計されていたが、SpaceXはかねてより再突入に耐えた上で陸上に着地し、再利用できるロケットの実用化を目指してきた。同社のイーロン・マスクCEOは、「飛行機のようにロケットを効果的に再利用する方法を考え出すことができれば、宇宙へ行くコストは100分の1になる」としている。
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