増田氏は、以前より米国の大手携帯電話キャリア向け端末を開発していることを公言していた。ただ、どこのキャリアなのかを、聞き出そうとしても、口を貝のように閉じ、事業者名だけは明かしてくれなかった。今回ついに、米国最大手のVerizon向けに納入する端末を開発中であることを発表した。
それもそのはず、端末は、4月2日付でFCC(連邦通信委員会)の認証を得ており、FCCのサイトに端末の情報が公開されている。ここでは、各種申請書類に混じり、端末の写真や取扱説明書を確認することができる。つまり、FCCの認証を得た時点で、このように情報が公表されてしまうので、これ以上隠しておくことはできないと覚悟したそうだ。
端末の写真を見ると、「Verizon」のロゴが入るものの、二つ折れスタイルで一昔前のガラケーの形状をしている。ただ、ガラケー型とはいえ、OSはAndroidを採用している。これは世界の携帯電話キャリアに共通のことなのだが、FCCのような公的な認証を得るだけでは、大手のキャリアは、端末を採用してくれない。キャリアが認定した機関が実施する厳しい端末採用テストに合格しなければならないのだ。今回、FCC以外にも端末採用テストに合格したものと思われる。発売日について、増田氏は言葉を濁したが、夏前までには登場するのではないだろうか。
5Gに対応したWi-Fiルータのコンセプトモデルも発表された。ただ、日本で5Gが始まるのが2020年の予定だけに、公開された情報は最小限のものであったのは残念。今回、2つのモデルが発表された。1つは、家庭内に設置するタイプのWi-Fiルータ、もう1つは、モバイル型のWi-Fiルータだ。
コンセプトモデルとはいえ「日本や海外を含め、いくつかのキャリアとは話を進めている」(増田氏)という。また、キャリア向け端末だけではなく、SIMフリー版も発売する予定だという。気になる発売日だが「日本で正式サービスが始まるとタイミングに合わせて市場に投入したい」(TAKUMI JAPANの大仲泰弘氏)と意気込む。ただ、「現時点では、日本において5Gの電波が飛んでいるわけではないので、開発は簡単ではない」(大仲氏)とも苦労をにじませていた。
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