2019年4月16日、多機能型の携帯翻訳機「KAZUNA eTalk5」を販売するTAKUMI JAPANが、翻訳機に付加する新機能や開発中端末の発表を行った。
その中には、米国最大手携帯キャリア「Verizon」向けの携帯電話端末や、5G(第5世代携帯電話)にも対応する予定のWi-Fiモバイルルータのコンセプトモデルなど、注目の製品も含まれている。さらに、話題の超高性能のゲーミングスマートフォン「Black Shark 2」の正規取り扱いも発表された。Black Shark 2に関する詳細は別記事をご覧いただきたい。
18年12月の発売以来、多機能性でライバルの携帯翻訳機を大きくリードしているKAZUNA eTalk5だが、新たに「QR決済機能」が追加された。ただし、QR決済と言っても、買い物ユーザーとして支払う側の機能ではなく、店舗などで、商品やサービスなどの対価として代金を受け取る側のレジとしての決済機能が追加されたのだ。同社では、「QR決済法人レジ」と呼んでいる。
TAKUMI JAPAN代表取締役の増田薫氏によると「昨年の12月にKAZUNA eTalk5の発売を開始して以来、インバウンド対応の法人需要が約8割を占める」ことがわかり、今回のレジ決済機能の搭載を決めたという。
KAZUNA eTalk5にQRコード決済で商品代金を受取る機能を搭載すれば、店舗等での外国人対応において、翻訳機による接客から代金の受け取りまでを一連の流れとして完結することができるという考え方である。対応するQR決済は、需要の多い中国からの訪日客に合わせ、WeChatPayとAlipayでの支払いを可能にした。
ただ、そうなると店舗側でもWeChatPayとAlipayとの契約が必要になると思うのだが、「Alibabaグループの日本恒生ソフトウェアという会社が、QRコード決済のバックエンドの仕組みを提供している。そこがサポートしてくれるので店舗への導入は難しくない」(増田氏)という。
昨年、筆者は深セン市を訪れたのだが、QRコード決済の普及率に度肝を抜かれた。ガイド役の現地の人がタクシーや飲食店において、すべての支払をQRコードで行っていたのを目の当たりにした。そこで、筆者が「現金を出したらどうなるの」と問うたら、ガイド氏は「迷惑がられるだけね」と笑いながら答えていたのが衝撃だった。例えば、屋台のような移動型の店舗でも普通にQRコード決済が行われているという。
中国都市部ではQRコード決済が当たり前となった今、中国からの訪日客を商売の対象にする店舗にとっては、WeChatPayとAlipayでの決済の導入は必須条件になるつつあるのではないか。そのようなQRコード決済が、ポケットに入る携帯型の翻訳機で実現でき、集計といったバックエンドのシステムも用意されているのであれば、個人商店などスモールビジネスにとって朗報であろう。
今や携帯型翻訳機は、激戦区となり、トップシェアの「ポケトーク」以下たくさんのモデルが流通している。KAZUNA eTalk5は、その多機能性において大いなるアドバンテージを得たのではないか。QR決済機能は、KAZUNA eTalk5のオンラインアップデート機能を介して無料配信が始まっている。
KAZUNA eTalk5の機能
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