ハウステンボスは4月23日、独自の電子通貨「テンボスコイン」を使った決済システムの導入を延期していたことを明らかにした。当初は2019年4月をめどに園内を“完全キャッシュレス化”する計画だったが、「今年中の導入を目指して最終調整している段階」(経営企画室、以下同)という。
テンボスコインは、従業員の決済業務の簡略化と、来園者の利便性向上を目的に開発。18年12月から段階的に導入し、園内の機器で現金をチャージ、食事・買い物の決済に使える仕組みを想定していた。
しかし、実証実験として、17年末から3カ月間にわたって同社の従業員が買い物などに使ったところ、「アプリをダウンロードして、金額を入力し、バーコードを表示させる手順に手間がかかる。(目的の達成に向けて)あまり意味をなさないのでは」などの意見が浮上。これを受け、課題点の改善を進めてきたという。
一方で、ハウステンボスがシステムの改修を進めている間に、「PayPay」「メルぺイ」「au PAY」といったキャッシュレス決済サービスが次々と登場。各サービスの加盟店も増え、仮想通貨やキャッシュレス決済に対する先進的なイメージは薄れてしまった。
こうした現状を踏まえ、ハウステンボスの担当者は「(テンボスコインの)使い勝手を良くするべく検討を進めているが、他社のキャッシュレス決済サービス導入も検討に含めている」と明かす。
現在のハウステンボスでは、現金とクレジットカードのほか、イオンが提供する電子マネー「WAON」の決済が利用できる。同社がテンボスコインの導入にこだわるのか、他社の電子マネーを取り入れるのか、判断に注目したい。
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