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ヤフー、持ち株会社化で「Zホールディングス」に 目指すは「PayPay」の収益化(2/2 ページ)

» 2019年04月25日 20時02分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]
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PayPay事業の収益化も目指す

 増収増益を目指す上では、これまでと同様“データの会社になる”方針も継続。ビッグデータを生かしたマーケティング支援や事業課題の解決、ネット通販(EC)などを引き続き強化していく方針だ。

 特に注力するのは、PayPay事業の収益化。川邊社長によると、PayPayはサービス開始6カ月で累計登録者数は600万人、決済回数は累計2500万回を突破。開始7カ月で加盟店舗数は50万店舗を超えたという。今後は投資額の回収を図るべく、還元キャンペーンで築いた顧客基盤を生かした商品展開を強化する。

PayPayで払えるローンや保険も準備

 役割分担も徹底し、事業会社PayPayは顧客や加盟店のさらなる開拓を担当。新ヤフーは収益化に向けた戦略を立案・実行する。具体的な戦略は、ユーザーの決済データを生かしたO2O(Online to Offline)マーケティングと広告の展開や、金融商品の提供などを予定する。

photo 今後の「PayPay」のビジネスモデル

 金融商品の提供時期や詳細は未定だが、金利を設けてPayPay残高を貸し付けたり、PayPay残高で支払えるローンや保険を新設したり、余ったPayPay残高で投資信託を購入可能にしたり――といった施策を検討中という。

 「決済データがあることで、送客に関するマーケティングソリューションができる。(データを生かして)オンライン・オフライン問わず(顧客企業の)広告を打つこともできる。蓄積された残高を活用し、さまざまな金融サービスも提供できる。『PayPayはもうかるのか?』と投資家などからよく聞かれるが、データと残高を活用する形でPayPay事業を収益化していく」(川邊社長)

「期間固定Tポイント」から「PayPayボーナス」に切り替え

 現在は「第2弾100億円キャンペーン」を実施中だが、ユーザー増に向け、5月8日からはボーナス付与率を現行の0.5%から3%に引き上げる。6月1日からは、決済時に20回に1回の確率で1000円相当のPayPay残高を付与する施策を打つ。

 毎月、特定のエリアやジャンルの加盟店で還元キャンペーンを行う企画「いつもどこかでワクワクペイペイ」も始める。第1弾は、加盟するドラッグストア限定で6月に実施する予定。決済時に購入金額の最大10%(1回当たり最大1000円)を確実にキャッシュバックする他、20回に1回の確率で最大1000円相当を還元する。

photo 今後の還元キャンペーンの予定

 Yahoo!ショッピングで購入したユーザーに付与する特典も、現在の「期間固定Tポイント」から「PayPayボーナス」に切り替える予定。ヤフオク!の売上金をPayPay残高にチャージできる機能の搭載も計画している。これらの施策により、早期の累計登録者数1000万人突破を目指す。

 川邊社長は「PayPay事業は“もう一つのヤフー”を作るつもりで臨む。ヤフーと同じく、1300億円〜2000億円の営業利益が出るような事業に育てていきたい」と意気込んでいる。

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