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LINE Payの“300億円祭” 受け取りを拒否する人も 「詐欺かと思った」「本人確認が面倒」

» 2019年05月20日 19時44分 公開
[谷井将人ITmedia]

 LINEが5月20日から始めたモバイル決済サービス「LINE Pay」のキャンペーン「祝!令和 全員にあげちゃう300億円祭」は、友達に“タダ”で送金できることから、SNSなどで盛り上がりを見せている。しかし、一部の利用者は「詐欺かと思った」「(登録の)本人確認が面倒」と困惑しているようだ。

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 同キャンペーンは5月20日から29日の期間中、自己負担なしでLINE上の友達に1000円相当の電子マネーをプレゼントできるもの。何人でも送れるが、一人が受け取れるのは一度(1000円)だけ。期間中であっても、送られた電子マネーの総額が300億円に到達した時点でキャンペーンは終了する。

 1000円相当の電子マネーを受け取り喜びの声を報告する人もいる一方で、「知り合いに送ったら詐欺だと勘違いされた」「1000円をもらうために、本人確認(LINE Payの登録)作業をするのは面倒」といった声もある。

詐欺だと勘違いされるパターン

photo 受け取り画面

 キャンペーンを通じて1000円相当の電子マネーを送った人は、相手に詐欺やLINEアカウントの乗っ取りを疑われたという。

 確かに受け取る側からすれば、前情報もなしに「1000円をプレゼント!」と、金品を受け取れるとうたうリンクが突然送られてくることになる。昨今のITリテラシー向上によって、怪しいと感じる人も少なくないだろう。記者もごくまれに知人から似たようなリンクがLINEで送られてくるが、そのたびに別のSNSで「乗っ取られているのではないか」と確認している。

 あらかじめ、「『300億円祭』というキャンペーンがあって、1000円をプレゼントできるのだけど送ってもいい?」と一言あれば、まだ受け取る心構えができる。記者ならそれでも公式ページで確認するが……。

受け取る側がLINE Payを利用していないパターン

 今回のキャンペーンは、LINE Payの認知拡大やキャッシュレス決済の普及を目指したもの。まだLINE Payを使っていないユーザーの利用登録を促す狙いもある。

 しかし、1000円相当の電子マネーを受け取るには、LINE Payの登録と同時に、写真付き身分証の写真をアップロード、銀行口座登録、郵送といった手段を使って本人確認を済ませる必要もある。これまでLINE Payに興味を示さなかった人からすれば、「使い方が分からない」「登録や本人確認が面倒」と感じるのも無理ないだろう。

photo 本人確認には身分証を持った写真が必要

 現金を使わない生活は慣れると便利なことも多い。これを機にLINE Payを使ってみるのもいいが、相手がキャッシュレスの理解を深めていないことには、1000円を受け取ってもらうことが難しいこともある。金品を受け取る行為に抵抗感や恐怖感を持っている人も多く、人によっては相手の負担を考えて送金をためらうこともあるようだ。

 LINE Payの1000円を受け取らない人や受け取れない人、プレゼントしても受け取ってもらえない人などさまざま。すでにキャンペーンの情報を知っている人やLINE Payユーザーであればうれしいイベントだが、人によってキャンペーンや電子マネーについて簡単に説明してからプレゼントするなど、多少の配慮が必要になりそうだ。

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