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AI活用は検証から実用へ NECが語る“筋のいい企画”の条件(1/2 ページ)

» 2019年05月31日 15時24分 公開
[村上万純ITmedia]
NEC NECで企業のAI活用をサポートする本橋洋介氏(AI・アナリティクス事業開発本部 シニアデータアナリスト兼データサイエンス研究所 シニアエキスパート)

 AI(人工知能)活用に取り組むも何らかの理由でPoC(概念実証)から先に進めない企業が少なくない。一方で、スムーズに検証から実用フェーズに移行し、着実に成果を出している企業もある。両者の違いは何か。

 NECで企業のAI活用をサポートする本橋洋介氏(AI・アナリティクス事業開発本部 シニアデータアナリスト兼データサイエンス研究所 シニアエキスパート)は、5月28日に開催されたAI技術の専門イベント「NEC the WISE Summit 2019」で、「AIをうまく活用している企業は、AIを業務で使い続けるための仕組み作りができている」と語った。

「筋のいい企画」の条件

 本橋氏は「持続的なAI活用には、企画、人材、環境の3要素を、点ではなく面で考える必要がある」とした上で、特に企画の重要性について強調した。

 AIとデータ活用を打ち上げ花火で終わらせないためには、全社横断でどの事業に活用できるかのロードマップを考える必要がある。本橋氏は、企画を考える際には「実現性が高いもの」と「価値の高いもの」を意識すべきと指摘する。「いきなり両立するのは難しいので、まずは実現性の高いもので成果を出しながら、次へつなげていくのが良いだろう」(本橋氏)

NEC 鉄道業を例にしたAI・データ活用のロードマップ

 本橋氏は、AI活用に向いている「筋のいい企画」の条件として、(1)学習データの質と量が十分であること、(2)価値が出やすい業務であること、(3)一部で悪い結果が出てもフォローできる業務であること──を挙げる。

 学習データが重要であるという話は、既にさまざまな識者が言及している。では、価値が出やすい業務は具体的にどのようなものか。

NEC AIに向いている企画
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