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» 2019年06月20日 07時00分 公開

アニメ「BEATLESS」で味わう“認証とシンギュラリティ”架空世界で「認証」を知る(2/3 ページ)

[朽木海,ITmedia]

 第1話にて、成り行きでアラトはレイシアとオーナー契約を結ぶことになる。この際に使用されているのは指紋認証だ。レイシアの胸の辺りに指を押し当て、指紋を登録した上で、レイシアの読み上げる規約に同意する旨を宣誓しなくてはならないのだ。

 アラトが特に戸惑ってないところを見ると、こうした行為はこの社会では一般的なのだろう。また、おそらく宣誓する際の声によって、声紋もサンプリングされていると思われる。

 この規約の読み上げにおいて、レイシアは自分のことを道具と表現し、「道具の行うことに責任をとってくれる人が必要」と言ってくる。このときの宣誓は、何らかの事故などが発生したときに警察や裁判所などに提出する資料として使用されるのであろう。

 おそらくレイシア自身はアラトの本人認証に指紋認証などは必要なく、人間と同じように、視覚と聴覚によって、常に本人かどうかを把握する挙動をしていると推測される。

 さらに、hIEは各種クラウドプラットフォームに接続されており、蓄積された情報を参照して動いているため、hIE自体の内部に莫大な情報と高度な判断能力を持っているわけではない。こうした各種クラウドの情報を総合して「これはアラトである」ということを認識しているのだろう。

「レッドボックス」と技術的特異点

 本来であれば、BEATLESSを題材として語るべきなのは「アナログハック」についてだろうが、本件は先に述べた内閣サイバーセキュリティセンターのBEATLESSタイアップページで大きくフィーチャーされているので、そちらをご覧いただくとしよう。

 本稿でピックアップしたいのはレイシアが「レッドボックス」と呼ばれている点と「技術的特異点」(シンギュラリティ)についてだ。

 まずレッドボックスとは、いまの人類には理解できない超高度AIの技術によってつくられた産物のことである。レイシアを含む、5体のレイシア級hIEもレッドボックスとされている。

 この超高度AIが実現している世界を「技術的特異点を迎えた世界」という。つまり、AIが進化した結果として人工知能による人工知能の発明が可能になり、人間の想像力の及ばない超越的な知性が誕生している世界だ。

 レッドボックスもこうした超高度AIの産物であるのだが、こうした世界では認証はどのような働きをするのだろうか?

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