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ネット炎上の秘孔を突かないためにotsuneの「燃える前に水をかぶれ」(2/2 ページ)

» 2019年06月20日 09時54分 公開
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 ーーと、このような3つの心理状態を刺激されると「正義感の強い人」は激しく反応してしまうことがある。自身のヒエラルキーや帰属集団がおびやかされると感じたとき、彼ら・彼女らは苛立ち「炎上」に至る火を点けてしまうわけだ。いわゆる炎上事案の大半が、こういうケースなのである。

 むろん、これがすべてというつもりはない。あらゆるケースとも、様々な要因が複雑に絡み合って炎上に至っているのは間違いない。とはいえ、少なくとも上記のような人間心理を理解しておけば、ある程度まで炎上しないように気を配ることはできる。

 とりわけ炎上のターゲットになりやすい人は、自身の言動には殊のほか慎重になったほうがいいだろう。政治家や市町村長など公共性が高い立場にある人、警察官・教師など責任が求められる立場の人がそれだ。もちろん、有名人のようにメディアの報道で名前が出る人や肩書きが出ることが多い職業に就いている人などもターゲットになることが多い。

 ようするに、先に触れた「ヒエラルキー」の上位に位置すると見られるような人は、つねに言動が見られていると考えておいたほうがいいだろう。

 また、一般の人びとであっても、インターネットという公共の場に「個人の自由」や「身内感覚」を持ち込むと炎上しやすい。「ヒエラルキー」の順位争いは、公共の場だからこそ起こる。集団vs集団のバトルもそうだ。集団内での愚痴や茶飲み話であっても、ネット上で発言するかぎり、つねに外部から観測されていることを意識していなければ、いつ・誰を・どんなクラスタの人をいら立たせるか分からない。ネット上での言動では「人の勝手だ、放っておいてくれ!」は通用しないのだ。

 誰であれ「上から目線」の発言・行動に見えたり、自分以外の集団に対して大ざっぱにレッテルを貼ったり、身内感覚で軽口を叩いたりしないことーー少なくともこれらの点についてだけは、いたずらに炎上を招かないためにも心がけておくべきだろう。公共の場で発言すべきではないことを「たいして見られていない」「理解してくれるはず」という甘い考えでネット上に発信してしまうと、不意に炎上してしまいかねないことを決して忘れてはならないと思うのだ。

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