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“スタンド使い”は見分けられる? 「ジョジョの奇妙な冒険」で学ぶ認証の極意架空世界で「認証」を知る(2/3 ページ)

» 2019年07月08日 07時00分 公開
[朽木海ITmedia]

 「うそだろ承太郎!」

 「ああ、うそだぜ! だが……マヌケは見つかったようだな」

 承太郎は、鼻の頭を押さえた船長をスタンド使いだと見抜いたのだ。密航者の少女は「スタンド使い」というものの存在を知らなかったから鼻を押さえなかったわけで(スタンドはスタンド使い以外には見えない)、一種の知識認証であるといえるのではないだろうか。

 知識認証とは通常、自分しか知らないものやコトを元にして認証を行う方式だが、誰が知っているのか分からないことをハッタリとして提示し、それに反応した人間を「知っている」とするのもやり方としてはアリだ。承太郎の策士っぷりが垣間見えるシーンである。

ジョジョ

「わかったぜ、本体は……てめえだァーーッ」

 次は第4部「ダイヤモンドは砕けない」より、レッド・ホット・チリ・ペッパー戦大詰めでの出来事だ。

 一度は倒したと思ったチリ・ペッパーの本体の音石明の姿が消えた。意識不明のはずが、ジョセフ・ジョースターを殺害するためにスピードワゴン(SPW)財団の用意した船に飛び乗ったのだ。

 そしてSPW財団の職員になりすますが、本当のSPW財団の職員に見つかり、ニセ者だと指摘されそうになる。とっさに疑った職員を指差し「こいつ、われわれSPW財団の人間じゃないぞ!」と言い放つ音石。そして本物の職員も音石をニセ者だと主張する。

 その場でジョセフを守っているのは、自分の判断力にイマイチ自信がない虹村億泰のみ。億泰は音石の顔を見ていないので、同じ制服を着た2人のどちらが音石でどちらがSPW財団の職員か、分からない。顔による生体認証も制服による所有物認証も不可能というわけだ。

 そこで……。

 「わかったぜ、本体は……てめえだァーーッ」と殴りつけた億泰のパンチは音石にクリーンヒット。

 「なんで……? なんで! ……おれの方だと分かった…・・・んだ?」

 「知りたいか? 2人ともブン殴るつもりだったんだよ」

 つまり、億泰は総当たり攻撃を仕掛けるつもりだったのだ。たまたま一発目が音石に当たっただけで、SPW財団の職員も巻き込んで倒すつもりだったというわけだ。

 この場合、対象者が2人しかいないわけだから、総当たり攻撃は妥当な選択だろう。普段から自分は頭が悪いと言っている億泰だが、この選択はベストだったようだ。

ジョジョ

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