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Windows 1.0日本語版のレビュー記事を書いた話立ちどまるよふりむくよ(1/2 ページ)

» 2019年07月11日 07時00分 公開
[松尾公也ITmedia]

 米国制作の人気ドラマ「ストレンジャー・シングズ」シーズン3が7月4日にNetflixで公開された。1話から8話まで一気に見ることができる、Netflixならではの形式で、視聴回数で過去最高を記録したという。

 「ストレンジャー・シングズ」の舞台は1980年代。シーズン1が1983年、シーズン2が1984年、最新作は1985年の出来事という設定だ。当時のファッションや音楽がふんだんに散りばめられ、この時代を生きた人たちにズキュンと来る内容がうけているらしい。筆者も当時を懐かしがりながら楽しんだ。ロックタウンは恋の街、愛に抱かれた夜、冷たいお前、ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ……。当時の音楽シーンがふんだんに織り込まれている。

 これに合わせて米Microsoftが面白いキャンペーンを展開している。この年の11月にリリースされたWindows 1.0をWindows 10でそれっぽく動かせるアプリ「Windows 1.11」の提供を始めたのだ。

photo Windows 1.11

 今回は、このWindows 1.0のレビュー記事を書いたことがあるという話をしよう。

 米国でWindows 1.0が出たのは1985年暮れだったが、日本版は1987年春に、まだベータ段階だったが存在した。ほとんど知られていなかったしたいして売れなかったと思うのだが、Windows 1.0には日本語版があったのである。

 自分が執筆したレビュー記事が掲載されたのは、1987年5月に発売された、別冊科学朝日「おもいっきりPC-98」。いわゆるムック。この成功が、後のASAHIパソコンにつながったと、創刊編集長である矢野直明さんが書かれている

photo 「ASAHIパソコン」という表記もあるが、定期刊行物としての創刊は1988年9月

 ITライターの大先輩である山田祥平さんもメインライターの1人として執筆。自分の担当はグラフィックスソフトで、Z's STAFF Kid(アスキー)、アートマスター400(システムソフト)、Grape(日本マイコン販売)、CANDY2(アスキー)、Thirdy(アスキー)、マドレール(図形処理情報センター)、楓(管理工学研究所)、Microsoft Chart(マイクロソフト)、そしてMS-WINDOWS(NEC)と日本語GEM(デジタル・リサーチ・ジャパン)。

 そう。この頃、Windowsの表記は、「MS-WINDOWS」だった。そして、PC-9801版の販売はNECが行なっていた。この頃は、PC-9800シリーズが累計100万台を突破してブイブイ言わせていたのである。

 このPC-9801の主力OSはMS-DOS。上記のソフトは全てMS-DOS上で動いていた。MicrosoftのWindows 1.0やDigital ResearchのGEMは、その上に乗っかるGUI環境だった。

 今、自分が書いたレビュー記事を読んでみると、2000文字弱のうち、3分の1を使って、マルチウィンドウとアイコン表示がなぜ必要なのかを説明している。そういう解説が必要な時代だった。

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