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» 2019年07月25日 07時00分 公開

これからのAIの話をしよう(マネジメント編):「成果を生み出すデータ分析組織」はここが違う リクルートのマネジメント術 (1/3)

データサイエンティストを生かし、データ分析組織として成果を生み出すにはどうすればいいのか。リクルートテクノロジーズに聞いた。

[松本健太郎,ITmedia]

 「これからはデータ活用の時代だ。我が社でもデータ分析の専門組織を立ち上げるぞ。早急に戦力化したいから、あとはよろしく頼む」

 さすがに後半の丸投げは多くないと信じたいですが、上層部から同じようなことをいわれた経験がある人が増えているのではないでしょうか。

 AIやデータを活用するために新しくデータ分析組織を立ち上げてみても、ノウハウがない企業がすぐに成果を出すのは難しいでしょう。多くの企業がデータサイエンティストの獲得に躍起になっていますが、果たして優秀なデータサイエンティストがいれば、何もかもがうまくいくのでしょうか。

 データサイエンティストが1人いれば売り上げが増え、新商品がヒットし、さまざまな経営課題が解決すると考えている経営者は、さすがにいないでしょう。しかし、データ分析組織全体としてどのように成果を上げればよいかは、いまだに十分な議論がされていない印象です。

 1人のパワーを、どのように増大させるか。そのためにどのように組織を設計すれば良いのか。考えなければならない問題は尽きません。

 今回は、データ分析組織を束ねるリクルートテクノロジーズの石川信行シニアマネジャー(ITインテグレーション本部 データテクノロジーラボ部)に、「成果を生み出すデータ分析組織の作り方」を聞きました。

リクルートテクノロジーズの石川信行シニアマネジャー(ITインテグレーション本部 データテクノロジーラボ部)

連載:これからのAIの話をしよう

いま話題のAI(人工知能)には何ができて、私たちの生活に一体どのような影響をもたらすのか。AI研究からビジネス活用まで、さまざまな分野の専門家たちにAIを取り巻く現状を聞いていく。

(編集:ITmedia村上)

事業部との伴走を重視 「期待値ギャップ」どう埋めるか

 石川さんが所属するデータテクノロジーラボ部は、先端技術を研究しながら実用的なプロダクトを開発したり、その技術を実際のWebサービスに役立てたりする、ビジネスサイド寄りのR&D(研究開発)組織です。最近は、機械学習のアルゴリズムなら強化学習やGAN(敵対的生成ネットワーク)、テクノロジー全般でいえばIoTなどに注目しているそうです。外部パートナーを含めると180人ほどの規模で、PoC(概念実証)からサービスへの実装まで一貫して行っています。

 石川さんはビジネス課題をどう解決するかを重視しており、データテクノロジーラボ部としてどれだけ売り上げ増加やコスト削減などに貢献できたかをシビアに見るように意識しているそうです。

 業務の進め方ですが、エンジニアから活用できそうな技術を事業部に提案することもあれば、事業部が相談に来るケースもあるといいます。リクルートには多様な事業があるので、ある部署の成功事例を見た他の部署から声が掛かることもあります。

 一般的に、事業部と技術部の間の期待値ギャップやコミュニケーション不足などがよく問題になりますが、それをどう解決しているのでしょうか。

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