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「漫画村」閉鎖も影響か 19年上期の電子コミック市場拡大、3割増に

» 2019年07月26日 10時56分 公開
[ITmedia]

 出版業界の調査研究機関である全国出版協会・出版科学研究所が7月25日に発表した、2019年1〜6月期の出版市場(推定販売金額)の調査で、電子コミック市場は前年同期比27.9%伸び、1133億円だったことが分かった。漫画海賊版サイト「漫画村」の閉鎖などにより、正規版の電子コミック市場が活性化したとみている。一方で、電子雑誌の市場は、「dマガジン」の会員減が響き、同15.1%減少した。

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 上期の電子出版全体の市場規模(小売り額)は、前年同期比22.0%増の1372億円。うち、電子コミックが同27.9%増の1133億円、コミックを除く電子書籍が同8.5%増の166億円、電子雑誌が同15.1%減の73億円だった。

 電子コミック市場の成長には、昨年4月に海賊版サイト「漫画村」が閉鎖した影響があるとみている。また、1話ずつ読ませる“話売り”や無料試し読みなどのキャンペーンで、読者のすそ野も広がっているという。

 紙の出版物の市場は、同4.9%減の6371億円。内訳は、書籍が同4.8%減の3626億円、雑誌は同5.1%減の2745億円だった。雑誌は2ケタマイナス(13.1%減)だった前年同期と比較すると、減少幅は縮小した。

 紙と電子を合算した全体の市場規模は、前年同期比1.1%減の7743億円となっている。

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