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「プリンセスコネクト!」で想像するVRデバイスと脳波認証の未来架空世界で「認証」を知る(2/4 ページ)

» 2019年08月16日 07時00分 公開
[朽木海ITmedia]

近未来のウェアラブル端末「mimi」

 さて、認証の話だ。

 VRを用いたネットワークデバイスとして登場しているmimiが、レジェンド オブ アストルムへの入り口になっているのは、あらすじからもお分かりいただけただろう。

 VRといっても、現在あるようなゴーグル型のものではなく、耳にかけるタイプのものである。これはどのようにVR体験を提供しているのだろうか。

 筆者はズバリ、脳波に直接干渉して「白昼夢」を見せるような形でVR体験をさせていると想像している。そのため、認証も「脳波認証」であろう。

 無意識のうちに現れる脳波で個人認証をするのは、何も夢物語ではない。現実でも脳波での個人認証について、各所で研究が行われている。

 脳波は指紋などと違って偽造が難しく、継続的に情報が得られる利点がある。鳥取大学では旅客機の乗っ取り防止などで実用化を目指しているという。

 現在では脳波を測定するためのヘッドセットの小型化や、測定精度や信号を保護する堅牢(けんろう)性の向上が進められている。mimiのように小型になれば、一般にも普及するだろう。

脳波による「継続認証」とは?

 脳波による認証は「継続認証」に適している。この継続認証とはなんだろうか。

 指紋などの従来の「生体認証」や、パスワードによる「知識認証」は、本人を認証するその時点においてのみ特定する認証である。対して継続認証は、利用者が意識することなく、継続的に認証し続けることをいう。

 なぜ脳波認証が継続認証に適しているのか。鳥取大学が実用化を目指す旅客機のパイロットの例を考えてみよう。

 現在は操縦席への扉をロックすることで、他者が操縦することを防いでいるだけだが、今後はテロ対策として、もっと厳重に認証する必要があると考えられている。

 起動時のみの認証では、飛行中に操縦席を乗っ取られてパイロットがすり替わった場合、そのまま飛行は続けられることになる。

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