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「プリンセスコネクト!」で想像するVRデバイスと脳波認証の未来架空世界で「認証」を知る(3/4 ページ)

» 2019年08月16日 07時00分 公開
[朽木海ITmedia]

 飛行中に継続して本人認証を続ける場合、パスワードのような知識認証や、指紋認証のような生体認証では、意識して認証作業をする必要があるため、操縦に支障をきたす可能性がある。

 操縦機器にカギを付けたままにするような所有物認証では、犯人も付けたままにしておくだけなので、解決にはならない。

 しかし、脳波認証であれば、操縦している最中、特に認証作業をせずともずっと認証し続けることが可能になる。これが実現すると、パイロットがすり替わった際に、遠隔地でもすぐに把握できるようになるのだ。

脳波認証は「生体認証+知識認証」で究極の二要素認証?

 筆者としては、脳波認証は継続認証に適しているというだけでなく、通常の認証においても生体認証と知識認証による二要素認証を一気に実現する、都合の良い認証だと思っている。

 脳波認証の研究の中には、目の前の画像を見て何を連想したか、脳波の変化を解析して認証するものも存在する。

 たとえ何らかの方法で脳波を偽造できたとしても(それも非常に難しいだろうが)、画像で何を連想するかを知り得るのはなかなか難しい。通常の状態における個人の特徴のある脳波で生体認証を行い、知っているものを見たときの脳波の変化で知識認証を行う二要素認証が成立するのではないだろうか。

 当然、脳波を発している必要があるため死んでいる人では認証できない。将来的には究極の認証として注目される可能性があるのではないだろうか。

 ただし、クリアしなくてはならない課題がある。この課題もRe:Diveを知れば見えてくる。mimiのようなデバイスが普及した場合、脳波による個人認証が継続して行われるようになる。

 すると、以前紹介した「BEATLESS」の世界のように、あらゆるものがクラウドに接続し、常に自分が認識され「常に認証し続けている世界」の実現にも近づくのだ。

 こうした世界と今の現実世界と比較すると、どちらの方の居心地が良いだろうか。前者の利便性も捨てがたいところだが……。それではRe:Diveの話に移ろう。

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