米マサチューセッツ工科大学(MIT)Media Lab(メディアラボ)所長の伊藤穣一氏が辞任した。MITのラファエル・リーフ学長が9月7日(現地時間)、MITコミュニティ宛の公開書簡で発表した。同日午後、伊藤氏が所長職だけでなく、教授職についても辞任の意向を示したとしている。
同氏は、性的虐待疑惑で起訴され、先月獄中で自殺した米富豪のジェフリー・エプスタイン氏からの資金提供を受けたことで批判にさらされていた。
伊藤氏は8月に発表した謝罪文で、メディアラボと自身の投資ファンドがエプスタイン氏から資金を提供されていたことを明らかにした。2013年に知人を通じてエプスタイン氏と会い、資金提供関連で同氏をメディアラボに招待したり、自宅を訪問したという。ただし、エプスタイン氏の犯罪に関して話し合ったり、犯罪行為の証拠を見たこともないと語った。
それでも資金を受け取ったことは「判断の誤りだった」として謝罪し、提供された資金80万ドル(約8550万円)と同額を非営利慈善団体に寄付するとも語った。
だが、米New Yorkerが6日、伊藤氏がエプスタイン氏からの寄付を匿名化しようとした証拠というメールを暴露した翌日、伊藤氏は辞任した。
リーフ氏はこの記事の内容を深刻に受け止め、調査を開始するとしている。
伊藤氏が取締役を務める米New York Timesの7日の記事によると、多数の組織で取締役を務める伊藤氏が、少なくともJohn S. and James L. Knight FoundationとMacArthur Foundationの取締役を辞任したという。New York Timesの取締役会のページからも同氏は削除されている。
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