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なぜZOZOは本気でAIに取り組むのか 「アパレルの価値はAIで上がる」の真意を聞くこれからのAIの話をしよう(ファッション編)(2/5 ページ)

» 2019年09月13日 07時00分 公開
[松本健太郎ITmedia]

マスクド:画像そのものが検索キーワードになるんですね。良いなと思ったシャツが売り切れても、似たシャツを探せる。それがZOZOで完結しているのがうれしいですね。

金山:顧客が「欲しい商品を言葉にできない」という課題や、「今見ている商品そのものに似た商品を欲しい」という欲求は間違いなくあります。それらを解決するための手段として、コストエフェクティブ(費用対効果が良い)にAIを実装できるフェーズになってきたと考えています。

マスクド:ファッションはフワッとした言葉が多いですよね。「ゆるふわ」という言葉のイメージも、人によって違います。「私のゆるふわはこうなのに!」と思う人もいるでしょう。

金山:類似アイテム検索の結果は、今は(どの人にも)同じものを出していますが、今後は個人によって出し分けていきたいです。似たようなグリーンの服でも、5000円までなら払える人と2万円でも買いたい人なら、結果は変わってきますから。ブランドの好みもありますよね。今回の導入をきっかけに、AIを活用してもっと顧客の課題を解決していきたいです。

マスクド:ここからさらに発展していければ良いですね。その年の秋冬トレンドや、私に似合う・似合わないという主観なども入ってくれば、より面白くなりそうです。

金山:ここからがスタートです。初代iPhoneが使いづらかったのと同じだと思っていただけたら。コピー&ペーストすらできなかったですから。

マスクド:今回のAI実装は、生まれたてのスマホみたいなものですか。

金山:最初のAIプロジェクトだと思っているので、まだまだこれからです。厳密に言うとZOZOSUITSで一部、マシンラーニング(機械学習)を使っていますが、ZOZOTOWNの根幹を成すサービスへの実装としては1発目です。

マスクド:ZOZOTOWNは通販としての基本機能はものすごく充実していると思うのですが、プラスアルファがまだちょっと弱いかなと感じていました。ですがここ数年、劇的に変わっていますよね。物流だけでなく、ZOZOSUITS、プロダクトと、自前で作れるエンジニア集団もいる。AIが加わって、ZOZOにしかできない取り組みが期待できそうです。

金山:そうですね、やらなきゃいけないですね。

課題は「ファッション嫌い」のサポート 嫌いなことはAIに

マスクド:金山さんが「今後こういうことやりたい」と考えている内容を教えていただけますか。

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