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» 2019年09月24日 07時00分 公開

よくわかる人工知能の基礎知識:世界で活躍するチャットbot 広がり続ける「自然言語処理」の可能性 (1/5)

ビジネスに役立つAIの基礎知識について分かりやすく解説する連載。今回のテーマは「自然言語処理」について。

[小林啓倫,ITmedia]

 主人公がロボットに向かって、人間と同じように話しかける。ロボットはその言葉を即座に理解して、ウィットに富んだ受け答えをする――SF映画やアニメではおなじみの光景だろう。

 そんなシーンを実現する技術の半分が、前回取り上げた「音声認識」である。しかしいくらロボットが人間の発音を正確に把握しても、その内容を理解し、人間が何を伝えようとしているのか把握できなければ意味がない。そこで登場するもう半分の技術が、今回取り上げる「自然言語処理」である。

連載:よくわかる人工知能の基礎知識

いまや毎日のようにAI(人工知能)の話題が飛び交っている。しかし、どれほどの人がAIについて正しく理解し、他人に説明できるほどの知識を持っているだろうか。本連載では「AIとは何か」といった根本的な問いから最新のAI活用事例まで、主にビジネスパーソン向けに“いまさら聞けないAIに関する話”を解説していく。

(編集:ITmedia村上)

自然言語処理とは何か

 自然言語とは、私たちが普段生活の中で使っている言葉を指す。日本語や英語、フランス語などは全て自然言語だ。それ以外に言語なんてあるの? と思われたかもしれないが、例えば機械に命令を与えるときに使うプログラミング言語や、コンピュータのCPUが直接解釈できるマシン語など、人間が普段の生活では使わない言語も多数存在する。

 それと区別するために自然言語と表現している。自然言語処理とは、「機械に私たち人間の言葉を理解させる技術」といえる。

 しかし、特定の単語や文だけを把握できてもあまり意味がない。例えば「ドアを開けて下さい」は人間同士の会話で出てきてもおかしくない自然言語だが、正確にこのフレーズだけを理解して自動で開くドアを作っても、それは単に音声をコマンドにしただけだ(前回記事で解説したように、それだけでも高度な技術なのだが)。

 現在の自然言語処理は、そうした定型化された言葉を機械に理解させるだけでなく、より曖昧なフレーズや、さまざまな文脈における発言を理解させるような取り組みを指すことが多い。

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