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AIが人間を孤独から解放する? ゲームAI開発者が語る未来「人間中心の社会が変わっていく」(2/3 ページ)

» 2019年09月24日 12時27分 公開
[村上万純ITmedia]
デヴィッドCEO

 デヴィッドCEOは「SFを作ろうとしたわけではない。(作中で登場する)こういう技術があったらどんな世界になるかを想像しようとした。アンドロイドを間に置いて人間社会を考えようとした」と説明する。作中に登場するアンドロイドは人間っぽくなるよう、細かい調整を重ねたという。人間そっくりのアンドロイドを前にして人間は何を思うのか? というのは、Detroitが投げかける問いの1つだ。

 Detroitの世界でアンドロイドは「便利な道具」とみなされ、参政権や基本的人権などは持たない。例えば、電車やバスなどの公共交通機関では、アンドロイド専用の乗り場と立ち乗りスペースが設けられている。現実でもこうした人種差別の歴史はあった。デヴィッドCEO自身、「Detroitでは人間の歴史を描いた」と語った。

アンドロイドがモノとしてショーケースに陳列されている
アンドロイドが人間に反旗を翻す

 「新しい知性を持つ種族が出てきたときに、われわれ人間はどういう立場を取るだろうか」とデヴィッドCEOは聴衆に問いかける。しょせん機械だと思うのか、人間の立ち場を揺るがす脅威と感じるのか、それとも人間と同じような態度で接するのか。人によってその振る舞いは大きく変わるだろう。作中に登場する人間たちの態度もさまざまだ。

 大澤助教も、こうしたバス車内のシーンなどに感銘を受けたと話す。「(犬型ロボットの)aiboにさえ人間は感情が動いてしまう。高度AIが実現したら、人間はものすごく影響を受けるはず。(AIを備えたロボットに関する)倫理基準や社会的コンセンサスなどはあったほうがいいだろう」(大澤助教)

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 では、高度に発展したAIは人間にどのような影響を及ぼすのだろうか。

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