ソニーは9月26日、立体音響技術「360 Reality Audio」の対応楽曲が、米Amazon.comの高音質ストリーミングサービス「Amazon Music HD」で配信されると発表した。年内に米国、英国、ドイツ、日本で開始するという。Amazonが同日発表したハイエンドのスマートスピーカー「Echo Studio」で再生できる。
「360 Reality Audio」(サンロクマル・リアリティオーディオ)は、ソニーが今年1月の「CES 2019」で発表したオブジェクトベースの立体音響技術。ボーカルやギターなど音源に距離や角度といった位置情報を付加(=オブジェクト)。リスナーを中心に全方位、最大24のオブジェクトを配置して「まるでその場に入り込んだかのように臨場感豊かに再生する」(ソニー)という。
ソニーは、主要な音楽レーベルやストリーミングサービスと協力し、対応コンテンツの制作や配信に必要な技術を提供、エコシステムの形成を目指す。360 Reality Audioは、過去の楽曲でもマルチトラックテープやステムデータ(DAW上で編集するために複数のトラックをまとめたデータ)があれば同社が提供するツールで制作できるという。
1月の時点で「Deezer」(ディーザー)、「nugs.net」(ナグスネット)、「Qobuz」(コボス)、「TIDAL」(タイダル)といった音楽配信サービスがサポートを表明。「Amazon Music HD」は、Echo Studioのリリースに合わせて参入を表明した形。米Amazonのミリアム・ダニエル氏(Alexa Devices担当バイスプレジデント)は、「1台のシンプルなデバイスだけで、クリエイターの意図に沿った、これまでになく臨場感豊かな音楽体験が可能になる。根本的に新しい音楽の聞き方を提案する」としている。
Echo Studioは、5つのスピーカーを搭載したEchoシリーズの新しいハイエンドモデルだ。360 Reality Audioに加え、米Dolbyのオブジェクトオーディオ技術「Dolby Atmos」(ドルビーアトモス)にも同社のスマートスピーカーとして初めて対応している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR