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» 2019年10月28日 18時37分 公開

京都市と吉本興業、“4ツイート100万円”で宣伝 広告表記なしで「ステマ」批判相次ぐ

京都市が吉本興業所属の芸人に、市を宣伝する内容のツイートを有償で依頼していたと京都新聞が報じた。ツイートには、広告主が市であることを示すような表記がなく、「ステルスマーケティングではないか」という批判が相次いでいる。

[谷井将人,ITmedia]

 京都市が吉本興業所属のコンビ芸人に、市を宣伝する内容のツイートを有償で依頼していたと京都新聞が10月28日付で報じた。芸人らが投稿したツイートには、広告主が市であることを示すような表記がなかったことから、Twitterなどでは「ステルスマーケティングではないか」という批判が相次いでいる。

photo 京都市のWebページ

 同市は2018年に開催した「京都国際映画祭」の広報活動などを吉本興業に委託。同年9月3日から10月14日にかけて、コンビの芸人がそれぞれのTwitterアカウントで「今日から京都市営地下鉄各駅に京都市と京都国際映画祭のコラボポスターが掲示されています!」「大好きな京都の町並み!! 京都を愛する人なら誰でも、京都市を応援できるんやって! 詳しくはここから!」など、映画祭や市の取り組みに対する宣伝や、ふるさと納税を促すツイートを投稿していた。

 報道によれば、京都市と吉本興業の間には「コンビ芸人がそれぞれツイートしたら50万円支払う」といった契約があった。コンビ芸人は2人で計4件のツイートを発信し、同市は吉本興業に100万円を支払ったという。

 京都市はITmedia NEWS編集部の取材に対し、一連の報道が事実であることを認めながらも、「明確な広告表示は行わなかったが、事実を優良誤認させるものではない。今は(広告であると)表記した方が良かったと思うが、問題はないと考えている」と答えた。

「ステルスマーケティング」は違法ではないが……

 製品やサービスの質を実際よりもよく見せかける「優良誤認」や、他社製品より優れていると消費者に誤認させる「優位誤認」を招く表現は景品表示法で禁じられている。

 しかし、広告主との間に金銭のやりとりが発生しているにもかかわらず、宣伝であることを隠すステルスマーケティングは、消費者をだますような手法であることから、その存在が明るみに出ると大きく批判されることも多い。過去にはステルスマーケティングを巡り、“炎上”した企業がいくつもある。

 青汁ランキングサイト「いろはに青汁」を運営していたフライ(東京都渋谷区)は、「青汁を飲んでダイエットに成功した」など、青汁の効能を好意的に示す投稿を行うInstagramアカウントを同社の従業員が運営していた。同社はその旨を公表しておらず、17年にはTwitter上で「ステマではないか」と騒動になった。同社はその後、謝罪したうえで当該アカウントを削除した。

 カカクコムが運営するグルメ情報サイト「食べログ」では、ユーザーが飲食店を検索した際に、有料の広告プランを申し込んだ飲食店を上位に表示していた。同社はこれを「広告枠」と位置付けていたが、ユーザーに対しては検索結果が広告によって変動すると明示しておらず、16年9月上旬には「“ステマ”に当たるのでは」など批判が相次ぎ炎上。カカクコムは同年9月中旬から、検索結果に「広告優先」と明示するようになった。

photo PC版の標準検索結果の例(2016年)

 悪質なステルスマーケティングが法律上取り締まれないことを受け、日本弁護士連盟は17年2月に意見書を公開。政府に対してサクラ行為や広告表示のない広告などを規制するように要請したが、現時点で法整備はなされていない。

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