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宿泊客の入退室、チェックアウトを顔認証で 道後温泉の老舗旅館が実験 明治元年創業

» 2019年12月06日 13時04分 公開
[ITmedia]

 道後温泉で明治元年(1872年)から営業している旅館「大和屋本店」(愛媛県松山市)は12月5日、顔認証を採り入れた接客の実証実験を始めた。チェックインの際に専用端末に顔を登録した宿泊客は、カメラに顔をかざすだけで部屋の施錠・開錠、チェックアウト、精算ができ、鍵を持ち歩く必要がなくなる。

photo 「大和屋本店」の公式サイト

 実験は2020年2月27日まで。従業員が鍵を管理する手間や労働力不足を解消する効果も見込む。一度顔を登録した宿泊客は、二度目以降の来館時に顔を登録する必要はないため、リピーターはより便利に施設を利用できる。

 使用するシステムは、NECの顔認証AIエンジン「NeoFace」と、クラウド型の入退室管理システム「Akerun入退室管理システム」を組み合わせたもの。

 実験の運営とシステム構築は、NeoFaceの導入を手掛けるSIerのデジタルピアと、Akerun入退室管理システムを開発・提供するベンチャーのフォトシンスが担当する。

photo 実験の仕組み

 今後は館内の売店やレストランも、顔認証によるキャッシュレス決済に対応する予定。宿泊客の顔画像と食事への要望をひも付け、個々人に応じたサービスを提供する計画もあるという。インバウンド対策として、システムの他言語化も視野に入れている。

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