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“やわらかいハチ公ロボ”降臨 AI搭載で声掛けや触れ合いに反応2019国際ロボット展

» 2019年12月19日 11時14分 公開
[安田晴香ITmedia]

 白いゲル素材を活用した、軟らかな手触りの犬型ロボット「やわらかロボ!ゲルハチ公」を、山形大学が「2019国際ロボット展」(12月18日〜12月21日、東京ビッグサイト)で展示している。渋谷の忠犬ハチ公像をモチーフにした。AIを搭載しており、人の呼び掛けや頭をなでる動作に反応する。

photo 会場内にたたずむ「やわらかロボ!ゲルハチ公」

 人の表情や呼び掛けを首に搭載したカメラとマイクが認識し、ハチ公に触れる力を頭に内蔵する触覚センサーが検知。それらの情報を基にAIがハチ公の感情を解析する。驚き・楽しいなど8種類の感情から1番傾向の強い感情が、ロボットと接続したモニターに表示される。本体サイズは350(幅)×1000(奥行き)×860(高さ)ミリ。

photo ハチ公の頭をなでる
photo AIが解析した感情タイプをモニターに表示。「アタマヲツママレタ」というハチ公のコメントも

 頭と前足の手触りは本物の犬のようにしっとりと軟らかいが、一点を見つめるハチ公の顔は妙にリアル。開発責任者の山形大学 小川純准教授は、「本物そっくりに仕上げました」と自信を見せる。

photo 一点を見つめるハチ公

 やわらかロボ!ゲルハチ公が生まれたきっかけは、渋谷との縁(えん)だという。渋谷のハチ公の「試作品」として制作された“第1号”が、山形大学がある山形県鶴岡市に現存する。今年9月に渋谷で行われた「超福祉展」への出展に当たり、運営側から「ハチ公にちなんだものを出展しないか」と申し出があった。

 ハチ公をモチーフにしながら、医療施設や介護施設などで被介護者や患者とのコミュニケーションを後押しするものが作れないかと検討を重ね、原形が完成。大きさは鶴岡にあるハチ公の原寸大だ。小川准教授は「感触が軟らかで触りやすいので、利用する方の癒しにつなげることができれば」と意気込む。

 今後は企業とも連携し、実用化を目指す考えだ。

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