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» 2019年12月25日 07時00分 公開

ふるさと納税の返礼品に、218万円のロボット型ストーブ登場のワケ 「これはすごい」とネットで話題

一風変わったふるさと納税の返礼品に対して、ネットでは「これはすごい」「夢がある」という声が上がっている。その返礼品は、高知県土佐清水市の「ロボット薪型ストーブ」だ。製作された背景と返礼品に選ばれた理由を聞いた。

[安田晴香,ITmedia]

 ふるさと納税の駆け込み寄付が増える12月。総務省の発表では、受入額・受入件数共に増加傾向にあり、2018年度は受入額が5127億円、受入件数が2332万件と過去最高だった。返礼品として並ぶ地域の特産品から、寄付先を決める人も多いだろう。そんな中、一風変わった返礼品が登場し、ネット上で「これはすごい」「『鉄人28号』みたいで夢がある」といった声が上がっている。

photo ふるさと納税の受入額と受入件数(総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果」令和元年度実施)

 それは、高知県土佐清水市が扱う「ロボット型薪ストーブ」だ。218万円以上の寄付でもらうことができ、全長900ミリ、重量200キロと存在感も十分だ。

 甲冑(かっちゅう)を装備しているような見た目の「サムライ」や、全長670ミリのミニロボット(144万円)、ロボット型七輪(13万円)も用意する。いずれも土佐清水市の鉄工所・小磯鉄工が部品一つ一つから手作りしているそうだ。1万円台の返礼品が数多く並ぶ中では、かなり高額な品物といえる。

photophoto 「ロボット型薪ストーブ」サムライとミニ。ロボットが薪を持つことも可能

 そんな異色のロボット型薪ストーブや七輪を、土佐清水市役所が返礼品に選んだ理由は何だったのか。

始まりは遊び心

 製作を手掛けた小磯鉄工の小磯雅範さんによると、始めからロボットの形を作ろうとしたわけではない。地元の人から薪ストーブのオーダーを受け、冬しか使用しないストーブを年間通して楽しめるものにできないかと考えたという。部品を組み合わせながら作っていくうちに、今の形になっていった。

 「最初は薪ストーブに足を付けただけでしたが、暖をとる(機能)だけではなくオーブンも付けよう、足があるなら手も付けよう……と足していきました」(小磯さん)

 “弟分”であるロボット型七輪についても、小磯さんは「七輪も足と手を付けてみたら、顔が欲しいと思いました。遊び心です」と語る。

photo “弟分”の「ロボット型七輪」

 見た目もユニークな薪ストーブと七輪は、暖をとれるだけでなく、料理にも使える。ストーブはオーブンを内蔵しており、七輪は上に網を敷いてもちやピザなどを焼ける。ストーブでは焼き芋、七輪ではバーベキューがおすすめだという。

photophoto ストーブや七輪で調理ができ、キャンプ気分も味わえる

 ネットで話題になった影響か最近は問い合わせが増えており、これまででストーブは15台、七輪は30台を受注している。Twitterを見て問い合わせた人もいたという。

 今後は“新型”のロボット型薪ストーブを作ることが目標だ。全く別のものを作ることになっても、どこかに「遊び心」は加えていきたいとしている。

土佐清水を知ってもらうきっかけに

 土佐清水市役所にも、ロボット型薪ストーブや七輪を返礼品に選んだ理由を聞いてみた。

 担当者の山崎(崎はたつさき)立志さん(企画財政課 政策企画担当)によると、市を知ってもらうきっかけになるのではと思い、今年9月から取り扱いを開始したそうだ。「高額な返礼品ですが、地元の鉄工所が(甲冑やねじなど)全ての部品を手作りしています。ビジュアルにも話題性があると思いました」(山崎さん)

 土佐清水市の返礼品にはロボット型ストーブ以外にも、特産の清水サバをモチーフにしたTシャツや柿渋染のストールなど、地場産品にこだわったものを選定している。いずれも土佐清水を知ってもらいたいという思いから、選んだそうだ。

photophoto 清水サバのTシャツと渋柿染のストール

 ちなみに小磯鉄工の商品は、いずれも返礼額は3割以下だという。

 高額ではあるが、興味がわいた人は“変わり種”の返礼品を選んでみるのも良いのではないだろうか。ヌクヌクと暖めてくれる以外にも、皆で焚火を囲んだりインテリアとして自慢(?)したり、新しい楽しみ方が見つかるかもしれない。

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