このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
仏CNRS LIRMMと東京大学 稲見・檜山研究室の研究チームが11月に発表した「Co-Limbs」は、ウェアラブルロボットアーム(Wearable Robotic Arms、WRA)を直感的に操作できるユーザーインタフェースだ。
背中に装着したロボットアームの手首には、手で握れるハンドヘルドツールが装備されており、これを動かすことでアームの位置を自在に決めることができる。
具体的には、力覚センサーとアドミッタンス制御を組み合わせて決定する。アドミッタンス制御とは、外部から入力された力をベースに位置や速度を決定する制御法。バネのように元に戻す力ではなく、力を入れた方向に応じて柔らかく変化する。
力を加えると、アームに取り付けた6軸力覚センサーが加えられた力とモーメントを検出する。検出した値に基づき運動目標値を計算し、その目標に対してアームの各軸の角度を制御する。アームは、人間でいう肩と肘部分に関節があるため、グリグリ動作し、初心者でも訓練なしに直感的に使いこなせる。
ハンドヘルドツールには、親指操作のボタンが2つ付いており、簡単な入力情報を組み入れられる。例えば、ロボットハンドを握ったり離したり、他にも後述するロボットアームの動きを記録、再生を可能にする。
以下の3つのサンプルデモが紹介されている。
本研究は、「JST ERATO 稲見自在化身体プロジェクト」の研究成果である。
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