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文字列を移動させ手書きメモを挿入 Microsoftなど「SpaceInk」開発Innovative Tech

» 2019年12月29日 10時41分 公開
[山下裕毅ITmedia]

Innovative Tech:

このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

 パリ=サクレ大学、フランス国立情報学自動制御研究所(INRIA)、フランス国立科学研究センター(CNRS)、Microsoft Researchの研究チームが10月に発表した「SpaceInk」は、電子文書(デジタルドキュメント)の文章内に空白を挿入し、動的にメモを書き込めるシステムだ。

 普通、電子文書に注釈やスケッチなどのメモを書き込む場合は、文章の周りの余白に書き加えるだろう。これに対しSpaceInkでは、文書内の文字列を移動させ新たな空白を作成してから書き加えられる。文章のデザインを損なうことなく、見やすいメモを挿入できる。

 空白の作成は、タッチベースとペンベースの手法で行え、メモを書く前、途中、後のどのタイミングでも実行できる。両手でも実行可能だ。

photo 左がタッチベース、右がペンベース、どちらも上段行がメモを書く前に空白を作成、中段行が書く途中で空白を作成、下段行が書いた後に作成

 4種類の方法で空白の作成が可能だ。

photo SpaceInkを用いた4つの空白作成法
  • side of paragraph: 段落を横に空白を作成
  • between lines:行間に空白を作成
  • wrappedin paragraph:数行間に局所的に作成
  • between words:1行内に作成

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