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シャツのボタンをセンサーに MITとGoogleが「SensorSnaps」開発Innovative Tech

» 2019年12月30日 07時48分 公開
[山下裕毅ITmedia]

Innovative Tech:

このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

 MITメディアラボとGoogleが共同開発し10月に発表した「SensorSnaps」は、小型のワイヤレスセンサーノードを衣服に統合できるシステムだ。

photo (A)シャツのボタンにSensorSnapsを取り付けた様子、(B)カフスボタン風に取り付けた様子、(C) SensorSnapsの内部構造、(D)市販のプラスチックスナップファスナーと統合した様子

 両者が開発した円形の小型センサーは、一般的な衣服のどこにでも取り付けられる。とりわけ、スナップボタンへの取り付けが容易だ。

 静電容量式タッチセンサーで触れたことを検出し、ジャイロスコープで回転を検出。使用例として、タップで音楽再生、回して音楽ボリューム調整、腕に取り付けて腕のモーションをキャプチャするなどを挙げている。

 本体重量は2.4グラム、直径19ミリ、厚さ9ミリ。nRF52832搭載BLEモジュールや9軸慣性測定ユニット(IMU)、そして厚さ2ミリの10mAhリチウムポリマーバッテリーなどから構成される。

photo (A)3Dプリンタで印刷された外観、(B)SensorSnapsの内部構造、(C)側面からの画像、(D)厚さ2ミリの10 mAhリチウムポリマーバッテリー

 ネットワークは、コンピュータと無線接続した中央ノード1個と、複数の周辺ノードをBluetoothで接続。実験では中央ノードとの接続にAndroid搭載スマートフォン、またはMacBookを使用した。

 バッテリーの持ちは、スタンバイモードで4時間、ジェスチャーモードで45分。節約のため、ジェスチャーなどのイベントが検出された場合にのみBluetooth経由でデータを送信する。

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