このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
米カーネギーメロン大学の研究チームが2019年10月に発表した「LightAnchors」は、家電製品などのインジケーターライトを用いて、モバイルAR(拡張現実)を快適にするインタフェースだ。
現実の物体にオーバーレイしてデジタル情報を表示するAR手法としては、再帰反射ステッカー、バーコード、ARToolKitマーカー、ARTags、AprilTag、QRコード、ArUcoマーカーなど、マーカーを使用するのが一般的だ。
新技術は、既存のマーカーのように大きく目障りな手法ではなく、小さく目立たないポイントライトを用いる。例えば、Wi-Fiルーターのステータスライト、PCの電源ライトや電化製品のライト、加えて電球などの一般的な照明などで利用可能だ。
これら既存ライトを素早く点滅させてバイナリデータをエンコードし、それを実行することで、デジタル情報をオーバーレイで瞬時に表示・操作できる。
既存ライトを用いるため、さまざまな活用方法が考えられる。
LightAnchorsは、iOSアプリをApple App Storeでリリース予定だ。
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