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学費無料のエンジニア学校「42 Tokyo」、約1カ月続く入試をスタート 海外支部では「とてもつらい」との声

» 2020年01月06日 14時53分 公開
[ITmedia]

 4月に開校予定のITエンジニア養成学校「42 Tokyo」(東京・六本木)は1月6日、約1カ月間続く入学試験「Piscine」(ピシン)をスタートした。詳細は明かしていないが、プログラミング経験がなくても受験できる他、時間を問わず会場に入退室でき、他の受験者と共同で問題を解く形式という。合格者は4月から、学費無料で校舎を24時間365日利用できる。

photo 「42 Tokyo」の公式サイト

 42 Tokyoは、フランス発のITエンジニア養成学校「42」の東京支部で、DMM.comが運営を担っている。講義を行わず、学期や卒業の概念もないのが特徴。学校側は課題のみ提供し、学生はお互いにコードをレビューしながら成長を目指す。

 入試でも入退室を自由とし、共同作業を課すことで、受験生がこうした校風に合うか否かを確かめる。

 Piscineとはフランス語で「スイミングプール」を意味しており、「泳ぎ切れるかを試す」という意味を込めている。42は公式YouTubeチャンネルで、海外支部の在校生による「とてもつらいので、諦める人が多い」「知らない人たちと作業しなければならなかった」「やることが多く、デッドライン(締め切り)に追われていた」――といった声を紹介しており、難易度は高いとみられる。

 合格者は開校後、レベル別に分かれ、関心がある分野の課題を自主的に進める。課題のジャンルは、データサイエンスやインフラ、セキュリティなど多岐にわたる。学生はWeb検索などで情報を調べつつ、他の学生とアドバイスし合いながらコーディングを行っていく。半年ほどで必要な知識をマスターし、就職することも可能という。

 42の海外支部は、経営者の自己資金と教え子による寄付によって運営資金をまかなっている。DMMは「家庭環境や学歴に関係なく、誰にでもチャンスを与える42の精神に共感した」との理由で東京に誘致したといい、当面は同社が運営資金を負担する。将来的には卒業生による寄付を期待しているという。

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