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久しぶりのオールド一眼レフ風ミラーレス「E-M5 Mark III」、防塵防滴や強力な手ブレ補正は健在荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/3 ページ)

» 2020年01月11日 08時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]
写真で見るより小ぶりで扱いやすい「OM-D E-M5 Mark III」。ペンタ部のトンガリがチャームポイント

 4年ぶりに新作きました。いやあ、良かった。初代「OM-D」の系統、「E-M5 Mark III」である。

 E-M5ならではのコンパクトさを維持しつつ、さらに前モデルより軽くなり(約469グラムから約414グラムへと50グラム以上の軽量化)、カメラ性能はハイエンドモデル「E-M1 Mark II」の機能をかなり持ってきた製品。

 OM-Dシリーズはエントリーの「E-M10」、ミドルクラスの「E-M5」、ハイエンドの「E-M1」の3つのラインで動いているのだが、E-M1系はちとゴツくてい重いし、E-M10ではちょっと頼りないという人に最適なポジションなのだ。

 そしてこのシリーズは、OM-Dのネーミングの元となったフィルムカメラ時代の「OM-1」に大きさもデザインも一番似てるのである。

左がE-M5 Mark III。右が初代OMの「M-1」(翌年からOM-1になった)で1972年もの。ペンタ部のトンガリ具合が似てる。同等スペックのレンズを付けてみた

E-M1 Mark IIの撮影性能を受け継いだE-M5

 E-M5 Mark IIIは見てのとおり、オールド一眼レフ風スタイルのミラーレス一眼。初代E-M5はまだミラーレス一眼は背面モニターで撮るもの、と思われていた……つまりEVF内蔵モデルがまだ主流になってなかった2012年に登場してヒットしたカメラだ。

 イメージセンサーは4/3型のマイクロフォーサーズ。

 前モデルは1600万画素だったが、上位機の「E-M1 Mark II」と同じ2000万画素で像面位相差AF対応に進化した。

正面から。マウントの向かって右にあるのが着脱ボタン、向かって左下にあるのはFnボタンで機能を割り当てられる

 ボディ内に5軸手ブレ補正を搭載し、約5.5段という超強力な補正能力を持っている。レンズ内手ブレ補正を持つレンズと組み合わせるとさらに効く。今一番強力な手ブレ補正機構を持つシリーズと思ってよく、それだけで使ってみる価値があるのだ。

 ISO感度はISO200から25600と前モデルと同じ。

 センサーサイズも小さめだし、ISO25600が上限だから高感度に弱いかなと思いきや、意外にそうでもない。

 ISO3200と6400を等倍表示で比べると、ISO3200でも気にせず使えるレベルだし、6400もまあまあ。

ISO3200と6400

 ISO12800と25600もピックアップ。上限ISO感度にしても、当然ノイズは増えてディテールはあまくなるけど、色もそこそこでてるし大きな破綻も見られない。けっこう頑張ってるといって良さそうだ。

ISO12800と25600

 連写は最高で秒10コマと上位機のE-M1 Mark IIの秒15コマには及ばないが、そこは仕方ないところだろう。

 だがしかし、E-M1 Mark II譲りの「プロキャプチャ」連写がある。秒30コマだが(E-M1 Mark IIは秒60コマ)、電子シャッターを使い、シャッターを押した瞬間の前後のコマを一気にキャプチャーする機能。

 そうすると決定的瞬間を捉えやすい(下は後ろに止まってる車のナンバーが写ってしまったので、そこをクロップしたもの)。

プロキャプチャモードが捉えた猫が鼻の頭を舐める瞬間。このスピードで連写できる

 こういうカットも撮れるのだ。

 もう一つ、上位機譲りの撮影機能が「ハイレゾショット」。

 センサーを少しずつ動かしながら8コマ撮影し、合成することで高解像度の写真を撮る機能。8160×6120ピクセルの写真を撮れる。これ、通常撮影の写真と比べると違いがよく分かるので、同じ位置から撮った通常のカットと並べてみた。

左がハイレゾショット。右は同じ位置から撮影した通常カット。拡大して窓のブラインドを見ると違いがよく分かる

 一番分かりやすいのは、ブラインドが降りている窓。ハイレゾショットで撮った方はきっちり解像して、ブラインドの横の細かいラインがちゃんと見えている。

 ただ、動く被写体がいると(風で木々がなびいたり、手前を人が歩いたり)そこだけ分身の術状態になっちゃうし、安定度の低い三脚だとちょっとした振動でぶれるので注意だ。

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