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» 2020年01月17日 12時55分 公開

最前列よりも近い“神席”――AKB48グループ、劇場公演のVR動画を配信へ ステージ後方で踊るメンバーにも光を

AKB48グループの劇場公演を撮影したVRコンテンツの配信が、2月3日にスタートする。ソフトバンクのスマートフォン向けVRアプリ「LiVR」で、有料で提供する。視聴者は、まるでメンバーに触れるような距離感でパフォーマンスを楽しめる。

[周藤瞳美,ITmedia]

 ソフトバンクと芸能プロダクションのAKSは1月16日、AKB48グループの劇場公演を撮影したVRコンテンツを、2月3日からスマートフォン向けVRアプリ「LiVR」で配信すると発表した。東京都・秋葉原の「AKB48劇場」、愛知県・栄の「SKE48劇場」、新潟市の「NGT48劇場」――の3劇場で毎月行われる公演を有料で配信し、臨場感ある映像をファンに届ける。AKB48グループの講演がVRコンテンツ化されるのは初。

 価格は1劇場当たり月額3300円(税込、以下同)。3劇場の公演を切り替えながら観賞できる月額8400円のプランや、各劇場の公演を1日限定で視聴できる格安プラン(1回1100円)も用意する。サービス開始を記念したキャンペーンとして、2019年に開催された「AKB48劇場14周年特別記念公演」の無料配信も行う(3月31日まで)。

photo 記者発表会に登壇した、AKB48の柏木由紀さん

 AKSはサービス開始に伴い、各劇場のステージ正面・上手・下手の3カ所にVRコンテンツ用のカメラを常設。客席の最前列よりもアイドルに近い場所から撮影を行う。視聴者は、まるでメンバーに触れるような距離感の中でパフォーマンスを楽しめるという。

 AKB48劇場などの“現場”でライブを観賞する場合、座席は抽選で決まることが多く、毎回の公演で最前列を確保することは難しかった。今回のサービスでは、なかなか最前列が当選しないファンや、会場に来られないファンにも迫力ある映像を届け、満足度を高める狙いがある。

photo AKB48劇場に設置したVRカメラ

 記者発表会に出席したAKB48の人気メンバー・柏木由紀さんらは、「最前列より前の“超神席”を確保できる」とメリットを強調した。筆者も実際に体験してみたが、メンバーたちが立体的に見え、自分の手の届く距離内でライブを行っているような感覚を味わえた。

photo 記者発表会に登壇した、SKE48の須田亜香里さん

マルチアングル機能で、日の目を見なかったメンバーの注目度を上げたい

 LiVRは、ソフトバンクが19年春にリリースしたVRアプリ。スマホにインストールして専用のVRゴーグルと組み合わせることで、VRコンテンツを視聴できる。ユーザーが撮影元のカメラを選択し、視点を切り替えられる「マルチアングル機能」なども備える。

 AKSは、マルチアングル機能を利用してステージ上のメンバーを多様な角度から見てもらい、後方で踊っている若手など、これまで注目されなかったメンバーに光が当たる効果も期待しているという。

 SKE48の須田亜香里さんは「日の目を見なかったメンバーが(ファンに)見いだされるきっかけになってほしい」と期待を込めた。

photo “VRライブ”の様子

5G時代を見据えてVRコンテンツを拡充

 ソフトバンクはこれまで、LiVRではプロ野球、プロバスケットボール、プロ格闘技などの試合を配信しており、女性アイドルのライブに対応するのは初めて。

 同社の寺尾洋幸氏(常務執行役員 サービス企画本部 本部長)によると、第5世代移動通信システム(5G)の実用化が近づいており、VR領域の発展が見込まれることから、LiVRのユーザー拡大を見込んでAKB48グループのライブに着目したという。

photo ソフトバンクの寺尾洋幸氏(=中央、常務執行役員 サービス企画本部 本部長)

 寺尾氏は「LiVRと5Gを組み合わせることで、場所・参加人数の制限がなくなり、ライブの体験価値が無限になっていく。会場に入れなかった人たちや、遠方でなかなか参加できなかった人たちに、VRを通していつでもどこでもライブを見てもらいたかった」と説明。

 「3Gは『音声ネットワーク』、4Gは『データネットワーク』の時代だったが、5Gでは『サービスネットワーク』の時代になる。通信とサービスを組み合わせることで、これまでにないコミュニケーションが可能になるだろう」と力を込めた。

 ソフトバンクは今後も、5Gの本格普及に備えてLiVRのユーザー層を拡大すべく、スポーツやエンターテインメントを中心にさまざまな分野のコンテンツをそろえていく考えという。

photo VRコンテンツを視聴する、柏木さんらAKB48グループのメンバー

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