北海道大学とソフトバンクは2月13日、AIやIoTを活用し、養殖場のチョウザメの異常を検知する実験を始めると発表した。個体識別や行動分析を行い、病気などを検知する。チョウザメの精巧な3DCGモデルも作成し、動きのシミュレーションも行う。環境の変化を察知できる体制を整え、全滅を防ぐ。
機械学習でチョウザメの個体を識別、行動を分析。異常行動の早期発見、病気のまん延防止、水流停止や餌の供給過多といった養殖場の異常を検知する。チョウザメの骨格、筋肉のスケッチや解剖写真を基に3DCGモデルも作成し、実際の個体や群れの動きなどをシミュレーションする。
養殖方法を研究している北海道大学大学院の足立伸次教授と都木靖彰教授(水産科学研究院)、函館市に研究の活動拠点を持つソフトバンクが共同で実施。チョウザメの飼育、3DCGモデルの作成・シミュレーションを同大が行い、機械学習による個体識別や行動分析などをソフトバンクが行う。研究期間は2020年2月1日〜23年1月31日までの3年間。
チョウザメの養殖は卵を産むまでに6年以上、オス・メスを判別できるまでに2〜3年かかる上、環境の変化によっては全滅する──という課題がある。そのため飼育員が長時間監視する必要があり、負担になっていた。今回の研究を通じ、こうした課題の解消を目指す。
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