名刺サイズの超小型PC「ラズパイ」で遊ぶ(第14回)
ラズパイで自宅ファイルサーバを作る ~自作NAS「openmediavault」編~(1/4 ページ)
これまでSamba(第12回)とNextCloudPi(第13回)を使ってラズパイをファイルサーバ化する方法を紹介してきました。今回は「openmediavault」(以下、OMV)を使ったサーバ構築について解説していきます。
ラズパイでサーバを構築するのは、NASとして販売されている製品よりも安価で、また自由に設定できるのが魅力です。加えて、2.5インチのストレージを利用すれば省スペース化も可能です。低価格で家庭内にファイルサーバを設置したい場合には、ラズパイ+ストレージでサーバを立ててみてはいかがでしょうか。
OMVのインストール
OMVは「NAS」(Network Attached Storage:ネットワーク接続HDD)向けのソフトです。Debianベースに向けて作られているので、派生して作られているRaspbianでも動作します。OMVはSambaをもう少し扱いやすくしたシステムで、ブラウザベースでユーザーやストレージ、サービスの設定が行えます。大手の台湾Synologyなどが発売している多くのNAS製品もブラウザベースでの管理が当たり前になっており、これは一般的な方法だとも言えます。
では早速OMVの構築に移っていきましょう。まずはラズパイに「Raspbian Buster Lite」をインストールします。方法については第8回で紹介していますので参考にしてください。
Raspberry Pi財団のWebサイトにはフルバージョンの「Raspbian Buster with desktop and recommended software」、デスクトップUIが使える「Raspbian Buster with desktop」、基本的なツールのみの「Raspbian Buster Lite」と3種類ありますが、OMVは冒頭に述べた通りブラウザベースで設定していきますので、特にデスクトップは必要ありません。そのためRaspbian Buster Liteを選んでいますが、Raspberry Pi 4の場合はパワーに余裕がありますので、フルバージョンをインストールして使っても問題ないです。
microSDメモリカードへの書き込みが終了したら、ファイルのアップデートなどが自分で使っているPCで行えるよう、ラズパイへSSHでリモートアクセスできるように設定します。まずはWindowsで、RaspbianをインストールしたmicroSDメモリカードの内容をエクスプローラーで表示させます。そのあと何も表示されていない場所で右クリックして「新規作成」→「テキスト文書」を選び、新しいテキストファイルを作成します。
次に拡張子が表示されていない設定になっている場合は、「表示」メニューから「ファイル名拡張子」にチェックを入れます。その後、先ほど作成した「新しいテキスト ドキュメント.txt」を全て選んで「ssh」と変更します。エラーメッセージが表示されますが「はい」を選びます。
microSDメモリカードへの設定はここまでです。続いてmicroSDメモリカードをラズパイに差し、有線LANケーブルもつないでRaspbianを起動します。
次に「TeraTerm」などでリモートアクセスしたいのですが、ラズパイのIPアドレスが分かりません。IPアドレスを知るために、いったんラズパイ側からログインして「ifconfig」と入力します。
ラズパイへのログイン方法ですが、デフォルトではユーザー名「pi」、パスワードが「raspberry」です。まだ無線LANではつながっていませんので、有線側、ここでは「eth0」の項目に「192.168.1.84」とあるのがラズパイのIPアドレスとなります。
ここまで終了したら、第8回で紹介したように、「raspi-config」でパスワードの変更、Wi-Fiの設定、ロケールの設定などを一通り終わらせておいてください。また「sudo apt update」「sudo apt upgrade」でシステムを最新のものにしておきましょう。
アップデートが終了したら、以下のコマンドを入力してOMVをインストールします。
$ wget -O - https://github.com/OpenMediaVault-Plugin-Developers/installScript/raw/master/install | sudo bash
入力後はインストールが始まりますが、30分程度の時間がかかりますので待ちましょう。コマンドプロンプトが出てインストールが終了した後はラズパイの再起動、という手順になりますが、再起動後はsshでアクセスできるユーザーにpiが除外されます。何かあったときのために、再起動前に以下のコマンドでpiをsshグループに追加しておきます。
$ sudo adduser pi ssh
ここまで来たら「sudo reboot」でラズパイを再起動します。
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名刺サイズの超小型PC「ラズパイ」で遊ぶ
今やスマートフォンアプリで何でも完結できてしまう時代。しかし、一から自分の手でデバイスを作り上げ、試行錯誤しながらアイデアを具現化する楽しさは格別です。この連載では、テーマや用途にあわせてマイクロコンピュータ(マイコン)と呼ばれる名刺サイズの超小型PC「Raspberry Pi」(通称ラズパイ)の活用方法から具体的な工作手順までを紹介します。
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