ITmedia NEWS > STUDIO >
連載
» 2020年02月24日 07時00分 公開

名刺サイズの超小型PC「ラズパイ」で遊ぶ(第14回):ラズパイで自宅ファイルサーバを作る 〜自作NAS「openmediavault」編〜 (1/4)

小さなマイクロコンピュータ「Raspberry Pi」(通称ラズパイ)で作る、自分だけのガジェット。今回はWebブラウザ経由でアクセスできる自宅ファイルサーバをラズパイで構築してみます。

[岩泉茂,ITmedia]

 これまでSamba(第12回)とNextCloudPi(第13回)を使ってラズパイをファイルサーバ化する方法を紹介してきました。今回は「openmediavault」(以下、OMV)を使ったサーバ構築について解説していきます。

 ラズパイでサーバを構築するのは、NASとして販売されている製品よりも安価で、また自由に設定できるのが魅力です。加えて、2.5インチのストレージを利用すれば省スペース化も可能です。低価格で家庭内にファイルサーバを設置したい場合には、ラズパイ+ストレージでサーバを立ててみてはいかがでしょうか。

photo

OMVのインストール

 OMVは「NAS」(Network Attached Storage:ネットワーク接続HDD)向けのソフトです。Debianベースに向けて作られているので、派生して作られているRaspbianでも動作します。OMVはSambaをもう少し扱いやすくしたシステムで、ブラウザベースでユーザーやストレージ、サービスの設定が行えます。大手の台湾Synologyなどが発売している多くのNAS製品もブラウザベースでの管理が当たり前になっており、これは一般的な方法だとも言えます。

 では早速OMVの構築に移っていきましょう。まずはラズパイに「Raspbian Buster Lite」をインストールします。方法については第8回で紹介していますので参考にしてください。

 Raspberry Pi財団のWebサイトにはフルバージョンの「Raspbian Buster with desktop and recommended software」、デスクトップUIが使える「Raspbian Buster with desktop」、基本的なツールのみの「Raspbian Buster Lite」と3種類ありますが、OMVは冒頭に述べた通りブラウザベースで設定していきますので、特にデスクトップは必要ありません。そのためRaspbian Buster Liteを選んでいますが、Raspberry Pi 4の場合はパワーに余裕がありますので、フルバージョンをインストールして使っても問題ないです。

 microSDメモリカードへの書き込みが終了したら、ファイルのアップデートなどが自分で使っているPCで行えるよう、ラズパイへSSHでリモートアクセスできるように設定します。まずはWindowsで、RaspbianをインストールしたmicroSDメモリカードの内容をエクスプローラーで表示させます。そのあと何も表示されていない場所で右クリックして「新規作成」→「テキスト文書」を選び、新しいテキストファイルを作成します。

 次に拡張子が表示されていない設定になっている場合は、「表示」メニューから「ファイル名拡張子」にチェックを入れます。その後、先ほど作成した「新しいテキスト ドキュメント.txt」を全て選んで「ssh」と変更します。エラーメッセージが表示されますが「はい」を選びます。

photo 「新規作成」−「テキスト文書」でテキストファイルを作成
photo 「表示」メニューから「ファイル名拡張子」にチェックを入れる
photo 作成した「新しいテキスト ドキュメント.txt」を「ssh」に変更する
photo エラーメッセージが出るが「はい」を選択する

 microSDメモリカードへの設定はここまでです。続いてmicroSDメモリカードをラズパイに差し、有線LANケーブルもつないでRaspbianを起動します。

 次に「TeraTerm」などでリモートアクセスしたいのですが、ラズパイのIPアドレスが分かりません。IPアドレスを知るために、いったんラズパイ側からログインして「ifconfig」と入力します。

 ラズパイへのログイン方法ですが、デフォルトではユーザー名「pi」、パスワードが「raspberry」です。まだ無線LANではつながっていませんので、有線側、ここでは「eth0」の項目に「192.168.1.84」とあるのがラズパイのIPアドレスとなります。

photo ラズパイにログインして「ifconfig」と入力してIPアドレスを調べる
photo TeraTermを起動してラズパイのIPアドレスを入力してアクセスする

 ここまで終了したら、第8回で紹介したように、「raspi-config」でパスワードの変更、Wi-Fiの設定、ロケールの設定などを一通り終わらせておいてください。また「sudo apt update」「sudo apt upgrade」でシステムを最新のものにしておきましょう。

 アップデートが終了したら、以下のコマンドを入力してOMVをインストールします。

$ wget -O - https://github.com/OpenMediaVault-Plugin-Developers/installScript/raw/master/install | sudo bash

 入力後はインストールが始まりますが、30分程度の時間がかかりますので待ちましょう。コマンドプロンプトが出てインストールが終了した後はラズパイの再起動、という手順になりますが、再起動後はsshでアクセスできるユーザーにpiが除外されます。何かあったときのために、再起動前に以下のコマンドでpiをsshグループに追加しておきます。

$ sudo adduser pi ssh

 ここまで来たら「sudo reboot」でラズパイを再起動します。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.