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» 2020年03月02日 07時00分 公開

「距離感がぶっ飛んでる」 北海道を巡る「ゴールデンカムイ」のARスタンプラリーが話題、移動直線距離800km超の理由は?

「距離感がぶっ飛んでる」とネットで話題になった、アニメ「ゴールデンカムイ」の舞台を巡るデジタルスタンプラリー。移動直線距離800km超のスタンプラリーが生まれた背景を、実施元の北海道観光振興機構に聞いた。

[安田晴香,ITmedia]

 「距離感がぶっ飛んでる」「何かの訓練かな?」――あるスタンプラリーがネットで話題になっている。明治後期の北海道を舞台に、アイヌの埋蔵金を巡る争奪戦を描いたコミック原作のテレビアニメ「ゴールデンカムイ」の舞台を巡るデジタルスタンプラリー「『北海道はゴールデンカムイを応援しています。』スタンプラリー2」だ。

 注目すべきは、スタンプを集めるのに必要な移動距離だ。立ち寄るチェックインスポットは札幌、小樽、旭川、日高、空知、道東エリアの網走、弟子屈、釧路、阿寒湖に点在する。ITmedia NEWS編集部で試算したところ、全てのスポットを順に直線で結んでも800kmを優に超える。地図上では一見近そうに見える札幌から夕張までは約60〜70km、札幌から旭川までは約130kmある。道東の網走や釧路、弟子屈、阿寒湖に至っては、いずれも札幌から300km以上あり、クルマで4〜5時間かかる。日程に余裕がなければコンプリートがなかなか難しい距離だ。

photo 全道に設置されたチェックインスポット
photo 単純に直線で結んでも800km以上。実際の距離はさらに遠い
photo ARキャラクターと記念撮影 (c)舞台めぐり

 スタンプラリーへ参加するには、スマートフォンアプリ「舞台めぐり」(iOS/Android)のダウンロードが必要。現地のチェックインスポットに掲示されたポスタ―のQRコードをスマホで読み取るとARキャラクターを入手でき、その場で現実の風景とキャラクターを重ねたAR撮影が可能。22種のARキャラクターをコンプリートするには、計11カ所を訪問する必要がある。

 北海道全域を巡るスタンプラリーは、なぜ生まれたのか。実施元の北海道観光振興機構に聞いた。

移動距離の長さは「必然」

 北海道は国内外から年間5500万人が訪れる全国有数の観光地だ。民間調査会社のブランド調査研究所による「都道府県魅力度ランキング2019」では、11年連続で1位を獲得している。

 しかし北海道観光振興機構によると、多くの観光客が1つのエリアや札幌・小樽といった距離の近い都市を2〜3日で訪れるケースが多いという。北海道は広く、メジャーな観光地以外にもさまざまな観光資源があり、アイヌの歴史や文化もある。同機構は「(スタンプラリーを通して)北海道にはまだまだ知られていない観光地や施設がたくさんあることを知っていただきたいという思いがありました」と説明する。

 その思いにピッタリと当てはまったのが、ゴールデンカムイだった。同作品は明治時代後期の北海道を舞台にした物語。日露戦争から戻った主人公・杉元佐一が北の大地でアイヌの少女・アシ(リ)パと出会い、北の最強軍隊や新撰組の生き残りたちとの金塊を巡るサバイバルバトルを繰り広げる。原作は「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載中の、野田サトル氏による同名漫画だ。

 ゴールデンカムイの舞台を訪れながら、北海道の歴史や文化を伝える企画として生まれたのが、このスタンプラリーだった。参加者が訪れるチェックインスポットは「北海道の歴史・文化の展示がある施設を広く認知してもらいたい基準で選定しました」という。

photo チェックインスポット一覧。アイヌの歴史や文化を紹介する施設も

 とはいえ、スタンプラリーの道央エリアから道東エリアまでの距離は300km以上。なぜこれほどの規模になったのかを尋ねると「全道各地に魅力的な施設、スポットがありますので(移動距離が長くなるのは)必然と思います」という回答だった。「一度で全てを回るという事でなく、広い北海道ですので何回かに分けて回ってほしいと思っていますし、それによって北海道の四季も楽しんもらえると思っております」(同機構)

 広い北海道をもっと知って欲しい、何度も訪れてほしいという思いから、歴史・文化の展示を行う施設をチェックインスポットとして選んだ結果、北海道を横断するスタンプラリーが誕生したようだ。

ルート決めや移動手段の手配から楽しんで

 スタンプラリーの中にはモデルコースを紹介するものもあるが、同機構はおすすめのルートや移動手段を具体的に想定していない。どのようなルートで回るのか、電車・レンタカー・飛行機など交通手段をどうするか、計画を立ててもらうところから参加者に楽しんでほしいという。

 ちなみに、これまで全チェックインスポットを制覇した強者はどのくらいいるのだろうか? 具体的な人数は未公表だが、ネットで検索してみるとブログやSNSなどで日程や交通手段、スポットの回り方を紹介している人たちがいた。

 実際にその内容を見ると、スタンプラリーをメインに効率的に回る人もいれば、道央・道東とエリアを分けて訪れる人、観光のついでに1スポットだけ立ち寄る人もおり、スタンプラリーの参加理由は人ぞれぞれなのが分かる。「バイクで1200km走ってスタンプラリーを制覇した」「北鎮記念館がとても勉強になった」とおのおのが楽しみ方を見つけ、スタンプラリーに参加している様子がうかがえる。

photo 参加者から寄せられた「舞台めぐり」の投稿 (c)舞台めぐり

 同機構も「スタンプラリーなので達成感は必要と思いますが、1カ所でも楽しんでいただけると思っております」とコメント。「スタンプラリーが広く認知されることは、参加者が増える事につながるとともに、北海道の新たな魅力も今まで以上に理解を深めてもらえると思っております」と語った。スタンプラリーをきっかけに北海道の新たな魅力を見つけてもらい、今後の観光活性化につなげたい考えだ。

 スタンプラリーの実施は2019年4月27日〜20年3月31日まで。20年度の開催は現時点では未定という。

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