GMOインターネットグループは3月16日、新型コロナウイルス対策として1月末から在宅勤務体制を運用する中で、従業員から得られた感想を公表した。時間を有効活用できる点や、満員電車に乗らなくてよい点などのメリットを感じた人がいた反面、通信環境の不安定さや光熱費などのコスト負担にデメリットを感じた人もいた。同社はこうした意見を制度の改善に生かすという。
メリットについては「自由時間が増えた」を挙げる人が多く、「勉強時間が増えた」「家族と過ごせる」「子どもが休校になっても心配しなくてよい」といった声があった。同僚に話し掛けられる恐れがないことから、「資料作成などの効率が上がった」という人や、移動時間が減るため「顧客と向き合う時間が増えた」という人もいた。
「妊娠中のため、満員電車の通勤がなくなり助かっている」「体調が悪くても、少し休めば働ける」など、体調管理でのメリットを感じている従業員もいた。
デメリットとしては「作業環境」を挙げる人が多数いた。多くの人がVPNを利用するため、VPNへの負荷が増大して通信が不安定になる例があったという。また、GMO以外にも在宅勤務を導入する企業が増えてきたことから、マンション内の共用回線がひっ迫するなど、通信の不安定さが目立ったという。
自宅の作業環境を整備するため、マウス、イヤフォン、モニター、ヘッドセットなどを自腹で購入した人も多く、中には税別45万円のプリンタを買った人もいたという。暖房を使うために光熱費がかかり、「光熱費を会社負担にしてほしい」「在宅勤務手当の実施を」と嘆く人もいた。通勤がないため、運動不足を気にするとの意見も出ていた
同グループでは、遠隔会議の際に「Zoom」「Chatwork」などのツールを利用しているという。これらを使った感想としては、「Zoomカメラをオンにすることでコミュニケーションの質が改善した」「Chatworkでのコミュニケーションを普段以上に意識して、情報のアウトプットや質問をする必要があると感じた」などが出た。
「Zoom会議の際に、部署名・番号・氏名などをアカウント名に設定するルールがあるが、長すぎて省略して表示され、参加者を一覧で表示できない。レギュレーションを簡単にしてほしい」「Zoomで共有した画面が見えているかや、音声が聞こえているかなど、いちいち確認していると時間がなくなる」といった課題を指摘する人もいた。
GMOインターネットグループは今後も当面は在宅勤務を継続する他、4月1日に予定している新卒向けの入社式をオンラインに切り替えることも決定している。同社は「社員がよりより安定的かつ安心して業務に取り組める環境を構築するべく、改善を行ってまいります」とコメントしている。
調査は3月4日〜5日に全社員を対象に実施し、1960件の回答を得た。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR