米Amazon.comが、同社の企業文化や職場環境を公に批判していた2人の従業員を解雇したと、同社のジェフ・ベゾスCEOが所有する米メディアWashington Postが4月13日(現地時間)、解雇された従業員のツイートとAmazonからの声明文に基づいて報じた。
AmazonはWashington Postに対し、解雇の理由を社内規則の度重なる違反と説明した。「われわれは、雇用主の労働条件を批判する従業員の権利を尊重するが、内部ポリシー違反を認めることはできない」と語った。
解雇された1人、ユーザー体験デザイナーのエミリー・カニンガム氏は、昨年4月に従業員同志が立ち上げた地球温暖化対策をAmazonに求める社員運動のリーダー的存在だった。同氏は14日、Amazonの物流倉庫で働く従業員が新型コロナウイルス感染の脅威にさらされているとツイートした。
カニンガム氏はその約1時間後、「Amazonが私とマレン・コスタ氏を解雇した」とツイートした。コスタ氏も地球温暖化対策運動の参加者の1人だ。同氏も物流倉庫の衛生状態を公に非難していた。
Amazonは3月30日には、物流倉庫の新型コロナ対策強化を求めてストライキを行った従業員のリーダーを解雇している。こちらも解雇理由は社内規則違反だった。
Washington Postによると、米国内のAmazonの少なくとも74の物流倉庫で新型コロナ感染者が出ている。また、カリフォルニア州の倉庫幹部1人が3月31日に新型コロナウイルス感染により死亡した。Amazonは、同氏が発症したのは休暇中のことで、3月6にから他の従業員とは接触していないと米Gizmodoに語った。
Amazonは新型コロナ対策で在宅者が急増し、オンラインショッピングの需要が高まる中、10万人+7万5000人の雇用を行い、従業員へのマスクや消毒液配布や出勤時の体温測定などの環境整備を進めている。
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