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配列も配置も自由自在──“無限の組み合わせ”が試せるキーボード「DUMANG DK6 Mini」レビュー(1/2 ページ)

» 2020年05月01日 07時00分 公開
[工藤剛ITmedia]

 「小指でShiftを押すのが大変」「Aの左にCapsLockはいらない」「親指でスペース以外も入力できたら」──長くPCのキーボードに触れていると、キーボードに対してこうした不満を持つ人もいるかもしれない。今回レビューするのは、このようなユーザーごとの不満にほぼ全て対応できるといえる、夢のようなキーボードだ。

中国・深セン超酷科技の「DUMANG DK6 Mini」

QWERTYは本当に効率的な配列か?

 キーボードのレビューに入る前に、キーボードの配列や配置についての背景を少し説明したい。

 PCのキーボードの配列と聞いて、多くの人は「QWERTY」の順にキーが並ぶ「QWERTY配列」を思い浮かべるのではないだろうか。日常的に用いられているキーボードの大半がこのQWERTY配列で、その中に日本語キーボードといわれる「JIS配列」や英語キーボードの「ASCII配列」などがある。

国によって配列(配置)に細かな違いはあるものの、基本的にはQWERTYベースだ(画像はWikipediaより)

 世界中で使われているQWERTYベースのキー配列だが、「QWERTYは本当に文字を入力する上で最適な配列なのか?」という点について疑問に思うユーザーも世界中にいる。このため、QWERTYより入力に適した配列を求めて、キーの物理的な位置は変えないまま、キーに対応する文字や記号を変えた配列がいくつか考案されている。

 有名な例としては英文入力に特化した「Dvorak配列」がある他、最近では「Mint60」などの自作キーボードの設計者でもあるゆかり氏によって2017年に考案された、ローマ字入力特化の「Eucalyn配列」などが一部のキーボードファンに受け入れられている。

こちらは「Dvorak配列」と呼ばれる配列の一例。QWERTYに比べて特に英文入力で運指が効率的とされている(画像はWikipediaより)
自作キーボード作者のゆかり氏(@eucalyn_)によって考案されたEucalyn配列。ローマ字入力で日本語を入力することを前提として最適化された配置になっている

行ごとに少しずれたキーの配置は最適か?

 キー配列だけであれば、キーに対応する入力を変更するアプリなどを使えば変更はできる。しかし、運指の効率を求めていくと、キーの物理的な配置の調整も視野に入ってくる。

自作キーボードにみられるキーの物理的な配置(物理配列)の例

 一般的なキーボードは、行ごとに少し横にずらした配置をしているが、一から考え直すなら碁盤の目のように格子状に並べる配置や、指の長さに応じて縦にずらす配置も考えられる。Enterキーやスペースバーなどの大きなキーについても再考の余地はある。

 だが、物理的な配置の変更や調整となると、キーボードの基板に手を入れるしかない。一部のキーボードファンが「自作キーボード」を作るのは、自分自身に最適化したキーボードを作りたいという欲求があるからだ。

 とはいえ、使ってみたいキー配列や配置ごとに基板から作っていては工数・コストともにばかにならない。誰もが簡単に配列・配置を試せる方法はないものか──そんな、ある意味“夢”のような欲求をかなえるキーボードが、今回レビューする深セン超酷科技の「DUMANG DK」シリーズだ。

“最強”のカスタマイズ性をほこる「DUMANG DK」シリーズ

一見するとただの板?
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