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配列も配置も自由自在──“無限の組み合わせ”が試せるキーボード「DUMANG DK6 Mini」レビュー(2/2 ページ)

» 2020年05月01日 07時00分 公開
[工藤剛ITmedia]
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 この“一見するとただの板”が、「DUMANG DK6 Mini」だ。これはキースイッチのユニットを載せるプレートで、マグネットでユニットを固定できるようになっている。ユニットには独Cherryのキースイッチ「Cherry MX」シリーズや、Cherry MX互換のキースイッチを差し込んで利用できる。

キースイッチユニットCherry MX互換スイッチを搭載可能で、1.25U(通常の1U=約18mmより少し横幅が広い)タイプもある。固定用のマグネットは強力で、強めに打鍵してもずれたりすることはない。5ピンタイプのCherry MX互換スイッチを使う場合は余分なピンをニッパーで切断する必要がある キースイッチユニット(左)。ユニットからキースイッチを外した図(右)。Cherry MX互換スイッチを搭載可能で、1.25U(通常の1U=約18mmより少し横幅が広い)タイプもある。固定用のマグネットは強力で、強めに打鍵してもずれたりすることはない。5ピンタイプのCherry MX互換スイッチを使う場合は余分なピンをニッパーで切断する必要がある

 ユニットの一つ一つに「MCU」(Micro Control Unit)と呼ばれるマイクロプロセッサが搭載されており、一つ一つのユニットに任意のキーを割り当てられる。プレートとユニット側の端子に工夫があり、プレート上のどこに置いてもユニットとプレートがうまく通信し、キー入力を行えるようになっている。DUMANG DKシリーズは、プレートの大きさ以外はほぼ無限といってもいい配列や配置の組み合わせを試せるキーボードなのだ。

足の長さで傾きを調整できる。接続端子はUSB Type-C

 また、本機のカスタマイズは単なるキーマッピングだけではなく、特定のキーを押している際に全体のキーマップを変更する機能(レイヤー機能)や、事前に決めた一連のキー入力を行う機能(マクロ機能)も搭載している。

キーの設定やレイヤーの設定は「DUMANG App」(Windowsアプリ)から行える。ここでは左下に配置したFnキーが押されている間はレイヤーが1に切り替わり、レイヤー1ではWASDキーに対してカーソルキーが入力されるよう設定した

“理想だけ”じゃない実用性 自作キーボードの入門にもうってつけ

 ここからはしばらくDUMANG DK6 miniを使ってみての感想になる。今回使用したモデルではキースイッチに中国Kailh Electronicsの“青軸”(カチカチと音が鳴るスイッチ)、キーキャップにはバックライト対応のPBT材質のキーキャップが搭載されている。

一般的なQWERTY配列に似せてキーを配置してみた。キー情報はユニットに保存されているので、好きな場所につけ直しても事前に設定した通りのキーのままだ
今回紹介したDK6 Miniの他に、シリーズにはプレートの形状が異なる「DK6 Ergo」も。親指での入力に特化したレイアウトを組める(写真提供:びあっこ

 正直、当初はマグネット固定のために認識不良やぐらつきなどがあるのではないかと思っていた。しかし実際にタイピングしてみると全くの杞憂だったようで、認識不良は一切なく、ぐらつきも体感できるほどには発生しなかった。

 気になった点を挙げるとすれば、キーを押してからPCに入力が反映されるまでの時間にごくわずかながらもラグがあるように感じた。入力速度の求められるゲームなどをする場合には問題になるかもしれないが、通常使用する上では全く問題はないといっていい。もう一つは設定アプリの「DUMANG App」が英語表示オンリーで、少々使いづらいUIであることだ。多彩な機能を備えたDUMANG DKシリーズだが、マクロやレイヤー機能を使いこなすのには慣れが必要そうだ。

 DUMANG DKシリーズはレイアウト、キースイッチ、キーキャップ、どれをとっても自由度が非常に高く、それでいて実用性も高い。通常のキーボードに比べれば少々値段は張るが、自作キーボードに興味がありつつもハードルの高さから手を出せなかった人などに有力な選択肢となるのではないだろうか。

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