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リハスタが使えなくてもバンド活動がしたいおじさんたちの顛末(1/3 ページ)

» 2020年05月15日 09時00分 公開
[山崎潤一郎ITmedia]

 リモートでリアルタイムバンドセッションができるヤマハの「NETDUETTO」を試してみた。結論からいうと、セッションはヨレヨレで何一つうまくできなかった。だからといってNETDUETTOに対し、いまこの時点で「使えないアプリケーション」と烙印を押すつもりはない。むしろその逆で、通信環境や演奏スキルが高次元でバランスよく整えば、withコロナ、afterコロナ環境のバンド版“新しい生活様式”を実践する上で大いに期待が持てる超有望アプリケーションだと感じた。リハスタ(リハーサルスタジオ)が使えなくてもバンド活動ができる。

 なぜヨレヨレになってしまったのか。その理由を語る前に、まずセッションのメンバー構成を紹介しておこう。

 このコラムの筆者でもあるライターの山崎潤一郎がベースを担当。ボーカルとキーボードは本コラムの編集担当「松尾P」氏。指ドラムを叩いてくれたのは、iPadドラムアプリを叩かせたら右に出るものはいない(と筆者が思っている)「指ヨシキ」氏の3人だ。

 このコロナ禍において「えーい、なるようになれ!」との気持ちもあって、セッションの課題曲はザ・ビートルズの「Let It Be」。しかし、Let It Beのレの字すら合わせられなかった。

 まずいえるのは、メンバー間の通信環境におけるバラツキの問題だった。ヤマハが推奨する光ファイバーで接続していたのは山崎1人。あとは、松尾P氏がJ-COMのケーブルインターネット、指ヨシキ氏がiPhoneのテザリング接続だった。

photo ベース担当の山崎のネット環境はフレッツ光 + @nifty(v6プラス)。この通信速度はセッション当時のもの。ちなみに、NETDUETTOサーバへのPINGは通らないため計測不能だった

 指ヨシキ氏のマンションはソフトバンクの光ファイバーが導入されているのだが、何度試しても「ルーム」(セッションを行うための仮想空間)に入ることができないというトラブルに見舞われた。「接続テストルーム」には入れるのに、なぜか筆者が立ち上げた「ルーム」には入れない。ならばダメモトでと光ファイバーを諦めて、iPhoneのテザリング接続を試したら、こちらはすんなりと入れたため、推奨外の環境だがそのままセッションを決行した。

 各人それぞれの自宅で、3拠点でのセッションが始まった。3人がなんとか接続したものの、松尾P氏の声がブツブツと途切れ途切れで何を言っているのかほとんど分からない状態に。初日のトライは断念せざるを得なかった。

 途切れの原因はセッション中断後に判明した。松尾P氏のネット接続が会社のVPN経由なのではないかという疑惑が持ち上がったのだ。

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