富士通は5月26日、AIを活用して、カメラで撮影した映像から正しい手洗いができているかを判定する映像認識技術を開発したと発表した。食品を扱う事業者の手洗い確認を自動化して、手洗いの実施漏れや目視による確認業務の負荷を軽減する。
富士通の開発した「行動分析技術 Actlyzer 手洗い動作認識」は、映像認識AI「Actlyzer」に手指の認識機能を追加したもの。両手の動きをまとめて認識する「両手形状認識エンジン」と、手をこする反復動作を認識する「動き認識エンジン」を組み合わせ、両手が重なった状態や泡で手が隠れた状態でも誤認識を防ぐという。
2つのエンジンを相互に連携させてデータの整合性をとり、手をこするのに関係しない動作の誤検出を防ぐとともに、両手の形状認識の補正も行う。
厚生労働省が推奨する正しい手の洗い方6ステップがそれぞれ実施できているかは95%、手をこすった回数は90%の精度で判定できるという。
開発背景には、6月に施行予定の「食品衛生法等の一部を改正する法律」がある。同法により衛生管理基準「HACCP」にのっとった衛生管理が義務化される。食品などを扱う事業者は、自己申告や監視員による目視などで手洗いの実施を確認しているが、人による確認では実施漏れや人員の確保などが課題だった。
今後は現場での実証実験を進める。富士通のAI技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」の技術の一つとして研究開発も進める。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR