4月末に登場した「Raspberry Pi High Quality Camera」(以下、HQカメラ)は、カメラモジュール本体に16ミリ望遠レンズや6ミリ広角レンズを取り付けられるユニークな製品です。これまで存在していたピンホールカメラのような「Camera Module V2」とは異なり、まるでレンズ交換式のミラーレス一眼のような気分で本格的な撮影が楽しめます。
今回は「Raspberry Pi」シリーズの正規販売店としてラズパイ関連商品に特化したECサイト「Raspberry Pi Shop by KSY」を運営するケイエスワイにHQカメラをお借りしたので、導入方法や使い心地を紹介します。
HQカメラ本体に搭載されているセンサーは有効1230万画素のソニー製「IMX477R」です。センサーサイズもCamera Module V2よりも大きい1/2.3インチです。以下にHQカメラのスペックを表にしておきました。
HQカメラのスペック | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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イメージセンサー | SONY IMX477R (1290万画素 裏面照射CMOS) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
センサーサイズ | 対角 7.9ミリ(1/2.3インチ) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
有効画素数 | 4056×3040ピクセル | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ピクセルサイズ | 1.55×1.55μmピクセル | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
出力 | RAW 12/10/8bit、COMP 8bit | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
対応レンズ規格 | CSマウント、Cマウント(付属アダプター使用時) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
バックフォーカス | 12.5 mm〜22.4ミリ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ケーブル長 | 200ミリ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
三脚マウント | 1/4インチ-20 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2本のレンズは「CSマウント」「Cマウント」という規格に基づいて作られています。この規格は防犯カメラなどのレンズに使われているので、同時発売された広角、望遠レンズ以外でも、CS/Cマウントに準拠するレンズであれば利用可能です。なお、広角レンズはCSマウント、望遠レンズはCマウントで利用しますが、Cマウントのレンズを使用する場合は、HQカメラに直接つなげるのではなく、Cマウント用のアダプターを使って接続します。
広角レンズのF値は1.2とかなり明るくなっています。画角は63度あるので、かなり広い範囲を撮影できます。体感的にはCamera Module V2とあまり変わらない画角での撮影が可能です。冒頭で紹介した通り、広角レンズの焦点距離は6ミリ、望遠レンズは16ミリです。
望遠レンズはかなり寄っての撮影ができます。ただしズームレンズではないので、どこかの場所を拡大して撮影することになります。
レンズ側には絞りとフォーカスがあり、この2か所を調節して撮影します。絞りは「OPEN⇔CLOSE」、フォーカスは「NEAR⇔FAR」を回して調整します。絞りは「CLOSE」方向に回せば絞り値を上げられます。
またフォーカスについては、まずはHQカメラに付いているリングを回してバックフォーカスを調整して固定し、続いて近くの物体では時計回り、遠くにある物体の場合は反時計回りに回して調整します。回転を固定するためのネジがついているので、これを緩めつつピントを合わせていきます。
ピントを調整をするには、ラズパイにディスプレイをつなげ、画像を映しながらでないとかなり厳しいです。そこで「Picamera」というカメラを動かすライブラリを使って、以下のようなPythonプログラムを作りました。
#!/usr/bin/env python # -*- coding: utf-8 -*- import picamera import time camera = picamera.PiCamera() try: # プレビューを表示 camera.start_preview() time.sleep(180) # 秒数を入力 camera.stop_preview() except KeyboardInterrupt: camera.close() print('\n')
これを「pinttest.py」などの名前で保存しましょう。保存したら
$ python pinttest.py
と実行すると、ディスプレイにカメラの画像が映し出されますので、絞りとピントを回しながら調整するといいでしょう。「#秒数を入力」とあるところの数字を変化させると、映し出される時間が変わります。デフォルトでは180秒となっています。
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