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» 2020年08月03日 17時10分 公開

3Dプリンタ買っちゃいました:光造形3Dプリンタで作る、世界で一つだけのフィギュア リアルな人体モデルを作る最短の方法 (1/2)

思い通りの人体モデリングができない? それでも大丈夫。

[松尾公也,ITmedia]

 連載3回目は、予告通り、オリジナル人体フィギュアの製作がテーマだ。

 オリジナルというからには、ありもののデータをどっかから持ってきて3Dプリントするということではない。自分で顔から体まで3Dソフトを使ってモデリングすることを意味する。人体の3Dモデリングは困難を極める作業で、外部に依頼すれば数百万円かかる。ぼくもかつては「Blender」とか「Zbrush」とか使って作れるようになりたい、と夢見ていたことがあったが、結局書籍を何冊か買っただけで終わった。

 ではどうするか。専用ソフトを使うのだ。

 パラメーターを調整しカスタマイズすることでさまざまな容姿の人体モデルを作ることができるソフトがある。

 古くは美少女ゲームの「カスタムメイド3D」がMMDへの書き出しが可能だったことで初期ボカロクラスターをにぎわせたし、VRキャラクターのデータフォーマットを生成してくれる「VRoid」も高いカスタマイズ性が人気だ。ただ、これらはリアル系キャラクター生成には向かない。

 フォトリアリスティックな顔やボディーの人体モデルを作成できるソフトは海外でいくつか出ている。そのうちのいくつかは試した。「Poser」「Adobe Fuse」、Blenderのプラグインとして動作する「MakeHuman」。しかし、思ったような顔にはならない。顔以外の部分も、どうしても不自然になってしまう。そもそもアジア系の顔は不得意なようだ。

 リアルな人体モデリングはCGの見果てぬ夢だ。だから人はSayaを称賛し、AI美空ひばりをくさす。亡くなった娘さんをCGで再現し、VRで母親と再会させた番組が論議を呼ぶ。

 でも、これを著しく簡単にしてくれる技術が出てきた。AI(人工知能)、機械学習を使ったものだ。

 この「PIFuHD」という技術は、1枚の全身写真から3Dモデルを生成してくれる。米Facebookが中心になって開発した。ソフトウェアは無料で公開されていて、Google Colaboratoryを使って、誰でも試すことができる。しかし、ローカルで実行する場合には8GB以上のVRAMを持つGPUが必要だし、Pythonやらなにやら分かってないとダメっぽい。自分のハードウェア環境とスキルではちょっと難しそうだ。

リアルな人体モデルを作る最短の方法

 そこで見つけたのが、「HeadShot」というツールだ。単体ソフトウェアではなく、同じく米Reallusionという企業が出している「Character Creator」という人体モデリング専用ソフトのプラグインである。

 Character Creatorは、オープンソースの人体アニメーションソフト「MakeHuman」っぽい、しかしより高性能なもので、有料だ(HeadShotも)。Windows版オンリー。トライアル版があるので試してみた。

 HeadShotは機械学習機能を使うことで、正面から撮影した顔写真があれば、髪形まで含んだ顔の3Dモデルを作成してくれる。ボディーはテンプレートのものを使うが、各部位のパラメーターは豊富で、かなり自由にいじれるので、日本人の体形や顔の造作でも違和感なく作成できる。MakeHumanにない機能だ。

 妻の昔の写真で試してみたところ、それなりに似た3Dモデルが生成された。写真を使ったテクスチャマッピングもしてくれるし、顔のパーツにもちゃんと割り当ててくれる。不気味な感じにはならない。

 ちょうどこの2本を合わせて、250ドルで買えるセールをやっていたので購入した。写真を機械学習で高精細にしてくれるReminiを使った妻の写真を使って、実際にモデルを作ってみてから何度か試している(現在、5体目を出力中だ)。

 HeadShotで作成した人物モデルは自由にアニメーションさせることが可能だ。そもそも、Character Creatorはゲームのキャラクター作りが主目的なようで、その自由度をさらに高めるために、写真から取り込んだリアルな人物モデルを作成できるようにしたというのが経緯っぽい。誰かが作った服やポーズ、アニメーションを適用することもできる。

photo 新婚旅行のときの妻の写真をもとに作成した3Dモデル。衣装はCharacter Creator付属のものから

 ここから妻の新たな写真や動画を作ろうと考えていたのだが、その前に高精細出力ができる3Dプリンタが来てしまった。

 そうだ、ここから3Dデータをエクスポートして加工すれば、妻のフィギュアを作れるかも。

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