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光造形3Dプリンタで作る、世界で一つだけのフィギュア リアルな人体モデルを作る最短の方法3Dプリンタ買っちゃいました(2/2 ページ)

» 2020年08月03日 17時10分 公開
[松尾公也ITmedia]
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人体モデルデータを3Dプリンタに読み込む

 では実際に妻のフィギュアを3Dプリンタで出してみる。

 まず、前回の3Dプリンタセットアップ編で説明していなかったスライサーが必要だ。3Dプリンタは、3Dソフトで作成されたデータをそのまま読み込めるわけではなくて、それを機種固有のデータに変換しなければならない。スライサーは、3Dデータをスライスして、光造形型であれば、1層ごとに紫外線を当てる画像を作成する。それをどのタイミングで、照射時間をどのくらいにするか、といったデータを1つのモデルに対して生成する。

 ELEGOO MARSの場合には、安価な光造形3Dプリンタでよく使われるらしい、「CHITUBOX」というソフトがバンドルされている。バンドルされているUSBメモリの中にも入っているが、公式サイトで最新のものを落としてくるといいだろう。無料アプリだが日本語化されていて、とても使いやすい。

 そこでELEGOO MARSを機種選択すれば、パラメーターも最適化される。まずは、そこに3Dオブジェクトを読み込む。そのオブジェクトが大きすぎると警告が出るが、プラットフォームのサイズに合わせて自動縮小してくれる。生成時に形が崩れないように支えてくれる支柱(サポート)も自動生成する。

 で、HeadShotで作成した3Dモデルデータだが、.obj形式のメッシュデータをエクスポートすれば、それをCHITUBOXに読み込めるのだ。データにはとくに問題もなかったので、プラットフォームに合わせて縮小し、サポートを付ければそのまま印刷に入ることができる。

 スライスというボタンを押すと、断面データが.cbddlp形式で生成されるので、それをUSBメモリにコピーして、3Dプリンタに持っていき、差し込む。あとのプリントのやり方はチェスの駒と同じだ。

 これを、妻の写真から生成した人体モデルでやってみて、これまでに4体の妻のフィギュアを印刷した。

photo CHITUBOXに読み込んだ

 ビルドプラットフォームに下がった、妻を模したフィギュアがレジンの海から上昇していく様子を見ると、惑星ソラリスの海とか攻殻機動隊やウエストワールドのオープニングっぽい印象も受ける。だが、これは今、ソフトと合わせても5万円ちょっとで手に入る現実なのだ。

photo 今そこにあるSF

 レジンの海で固体化したフィギュアたちは妻の遺影の横に置いたり、妻が寝ていた枕元に座らせたりしているが、南くんの恋人みたいにポケットに入れて、近所の池の周りをいっしょに散歩してみるのはどうだろうかと考えている。7年前までそうしていたように。

photo 最初にできた妻フィギュアと元データ
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